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「WeChat(微信)」ミニプログラムを使うには、これまではWeChatアプリを開く必要があったが、これからはアプリを起動せずに直接使えるようになる。
WeChat運営元のテンセントとスマホ製造大手サムスンは先月下旬、ミニプログラムを起動するための二つのショートカット機能を共同でリリースした。サムスン製スマホのホーム画面を右か左にスワイプするだけで即ミニプログラムに遷移できるるという。ショートカットで遷移できるミニプログラムの数には現段階では制限があるが、最もよく使うミニプログラムを登録しておけば便利だ。
今年1月から、サムスンは中国市場向けのS8/S9/S10シリーズとNote8、Note9シリーズにこの機能をプリインストールしている。今年度のフラッグシップ機となるNote10シリーズも同様で、今後リリースされるモデルもこれに倣うという。
WeChat「スマホ版ミニプログラム」はスマホ製造大手9社が共同製作したアプリ「快応用(Quick App)」と対峙することを意味する。
2017年1月、WeChatからミニプログラムがリリースされると、破竹の勢いで普及した。翌年3月、ファーウェイやシャオミなどスマホ製造大手9社もミニプログラムと同じコンセプトのアプリ「快応用」をリリース。9社のスマートフォンにはこれがプリインストールされることになった。こうしてWeChatミニプログラムと快応用の二大陣営が形成された。
しかし、現時点でWeChatミニプログラムのユーザーが8億4000万人なのに対し、快応用は伸び悩んでおり、未だに統一されたデータすらない。今回のWeChatとサムスンの協力は、快応用では成し得ないことだ。スマホのホーム画面にミニプログラムへの入り口を設けたたことで、WeChatには今後の可能性が広がったとはいえ、まだ不確定要素で満ちている。例えば、スマホ製造大手9社がこれを自社製品にどの程度受け入れるかまだ不透明だ。さらに、これを機に他プラットフォームのミニプログラムがスマホメーカーとの協力を加速させる可能性もある。
WeChatミニプログラムや快応用以外に、アント・フィナンシャル(螞蟻金服)の「アリペイミニプログラム」をはじめ、バイドゥやバイトダンス(字節跳動)もミニプログラムをリリースしている。これらは初動が遅れたものの、その後の発展は目覚ましい。WeChatミニプログラム開発支援プラットフォーム「即速応用」(jisuapp.cn)」によると、アリペイミニプログラムは今年末にはデイリーアクティブユーザーが3億人の大台を突破する見込みで、3億5000万人のWeChatミニプログラムを猛追している。WeChatのマンスリーアクティブユーザー数は11億人を超えているとはいえ、ミニプログラムの浸透率はすでに6割を超えているため、増加の頭打ちも近い。
ミニプログラムがスマホおよびスマートデバイスと連動することによる伸びしろは非常に大きい。テンセントの高級副総裁である張小龍氏によると、ミニプログラムはダウンロードする必要がなく、メモリも占拠しないが、いつでもどこでも起動できるだ。ミニプログラムは単なる表示方式および接続方式の一つであり、アプリを補完するものだ。しかし、アプリを経由せずにスマホおよびスマートデバイスから直接使用できるようになると、より大きな発展の可能性が生まれる。
ミニプログラムの使用がユーザーの間でさらに定着し、今後OSのようにスマホに搭載されるようになると、ユーザーにとってミニプログラムの取得と使用がしやすくなる。このような形式はアプリストアともまた異なる。近いうちに、ミニプログラム用のオペレーションシステムは、既存モバイル端末向けのOSと1台のデバイスの中で共存することになるだろう。
スマホメーカーがミニプログラムの開発で抱える困難や、インターネット企業がスマホをリリースすることの難易度を考えると、双方は互いに協力すべきだと言える。
(翻訳・虎野)
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