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車載チップ開発と自動運転ソリューションを手掛ける「黒芝麻智能(Black Sesame)」が3月22日、香港証券取引所への上場を目指し、目論見書を更新した。同社は昨年6月30日に目論見書を提出していたが、今年1月に失効している。
黒芝麻智能は2016年7月に設立され、これまでに10回の資金調達で総額6億9500万ドル(約1000億円)を調達した。
中国で新エネルギー車やスマート化のニーズが急拡大すると、いち早く取り組みを始めていた黒芝麻智能はチャンスを迎えた。さらに2020年以降、世界中が半導体不足に陥ったことで事業拡大のチャンスが訪れ、中国で国産品による代替が加速したことも追い風となった。
目論見書によると、2021年から23年までの売上高はそれぞれ6050万元(約13億円)、1億6500万元(約34億円)、3億1200万元(約66億円)で、3年間で約5倍に増加した。しかし売上高大幅増の裏で、損失額も年々拡大している。同期3間の損失額はそれぞれ23億5700万元(約500億円)、27億5400万元(約580億円)、48億5500元(約1000億円)と推移し、累計で114億元(約2400億円)に上っている。
研究開発費も増え続けており、2021年から23年にかけてそれぞれ5億9500万元(約125億円)、7億6400万元(約160億円)、13億6300万元(約290億円)だった。同社は24年と25年も引き続き赤字になると見込んでいる。
市場全体からすると、自動運転用チップであれコックピット用チップであれ、ハイエンド製品の分野では、中国の国産チップメーカーはみな米半導体大手エヌビディア(NVIDIA)を始めとする海外の巨大メーカーとの競争にさらされている。ただ、コストパフォーマンス重視の自動車メーカーは国産チップを選ぶと考えられるため、黒芝麻智能にとってはミドルエンド~ローエンド市場のほうがチャンスは多いかもしれない。
黒芝麻智能は決算書の中で、現在開発している自動運転レベル3以上の自動運転向けチップ「華山(Huashan)」シリーズの「A2000」は、演算性能が250TOPSを超えるとしている。フロスト&サリバンによると、これは世界でも最高クラスの性能だという。
同社のライバルである自動運転用AIチップメーカー「地平線機器人(Horizon Robotics)」もこのほど香港証券取引所に上場申請書を提出したが、同様に巨額の損失を抱え苦境に陥っている。
※2024年4月8日のレート(1ドル=約152円、1元=約21円)で計算しています。
(翻訳・36Kr Japan編集部)
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