生花ネット通販の「花加(Flowerplus)」、サブスク式+産地直送を武器に事業拡大へ

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生花のネット通販サイト「花加(Flowerplus)」を運営する「上海分尚網絡科技有限公司」がこのほど、シリーズB1で3500万元(約5億2500万円)を調達したことが分かった。リード・インベスターは「上海創投資中心(SHIVC)」の傘下ファンド、コ・インベスターは創業者の王柯氏、「国灝創業投資(Guohao Venture Capital)」、「昆仲資本(Kinzon Capital)」など以前からの出資者が務めた。調達した資金は観葉植物やフラワーギフト、実店舗など新業務の拡大に充てる。

花加は2015年に設立され、月額定額制(サブスクリプション)サービスを武器に生花市場に乗り込んだ。同社のビジネスモデルは「オンラインでの申し込み+産地直送+付加価値サービス」に総括できる。ユーザーは毎月99~399元(約1500~6000円)を支払うだけで、原産地で栽培された生花を毎週受け取ることが可能だ。

創業者の王氏によると、生花のサブスクリプションサービスは着実に発展している。花加のフォロワーは累計1200万人、うち有料会員は800万人、単月の販売額は最高で約1億元(約15億円)、四半期ごとの継続率は40%に達する。花加は「WeChat(微信)」のミニプログラムや公式アカウント、大手ECサイトの「天猫(Tmall)」や「京東集団(JD.com)」などの販路を設けているが、受注の大半は自社サイト経由だという。

プロフィール画像を見る限り、フォロワーの86%は女性で、若年化の傾向がみられる。以前は26歳以上のユーザーが中心を占めていたが、今では24歳以下の比率が高まり続けている。

サプライチェーンに関しては、現時点で1万2000ムー(約800ヘクタール)に及ぶ花き栽培の自社農園を保有しているほか、数千社の花き農家および生花の生産拠点と提携しており、中にはエクアドル、コロンビア、南アフリカなど高品質の輸入切花の生産地も含まれている。また、北京・上海・深圳など国内7カ所の大規模配送センターに加え、1000カ所の配送センターを設置し、220以上の都市でサービスを展開している。

花加は農場から消費者までの各プロセスを貫通する流通経路を確立し、サプライチェーンの全プロセスに対する管理体制を実現している。出荷元からユーザーに届くまでの所要時間はわずか36~48時間で、ロス率は通年で1%以内に抑えられている。

花加の自社農園

今年3月、花加は観葉植物、フラワーギフト、実店舗という3つの新事業に乗り出した。新事業は急速に成長しており、中でも今年の観葉植物部門の売上高は3000万元(約4億5000万円)以上、フラワーギフト部門の売上高は5000万元(約7億5000万元)以上となっている。

花加は現時点で直営店5店舗を構えるほか、提携店舗は100店舗を超える。提携店舗には集客力、システム、サプライチェーン、商品力を提供する。なお、今後3年間で直営店200店舗、提携店舗1000店舗をオープンする計画だ。

王氏によると、花加は2018年よりリーン生産方式を取り入れており、2019年上半期は1000万元(約1億5000万円)以上の黒字を実現した。

花加創業者の王柯氏

王氏は「実は他の人よりも業界の発展を楽観している」と明かす。グローバル市場に比べ、中国市場には世界最大の消費市場、生産地であるという他にない強みがあると考えているのだ。

一方、生花業界は標準化と情報化が十分でないという問題を抱える。将来的には業界のインフラ整備が成熟するにつれ、生花販売の新業態であるECはより急速な発展期を迎えるとみられる。花加も業界の川上・川下企業と共同でリソースの統合に取り組み、業界全体の標準化と情報化を進め、産業の発展を促す方針だ。
(翻訳・池田晃子)

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