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共同購入を主体とした中国のソーシャルコマース「拼多多(Pinduoduo)」は24日、終値が大幅に上昇し、今年最高の40ドル(約4300円)をつけた。時価総額は464億ドル(約5兆円)となり、同じく大手ECの京東商城(JD.com)を抜いて中国のテック系上場企業として4位に浮上した。トップ3はいずれも重鎮クラスがつけており、首位はアリババの4492億3900万ドル(約49兆円)、2位はテンセントの3888億1900万ドル(約42兆円)、3位は美団点評(Meituan Dianping)の655億7200万ドル(約7兆円)だ。
拼多多を含む中国の「Eコマース御三家」は、前四半期も好調な成績を収めている。
拼多多、アリババ、京東商城の3社の今年第2四半期の決算報告によると、拼多多の売上高は前年同期比169%増、過去1年間のGMV(商品取引総額)は同170.5%増の7091億元(約11兆円)となっている。京東の売上高は同23%増で、GMVは非公開。アリババの天猫(Tmall)は売上高が同42%増、第2四半期のGMVは同34%増となっており、拼多多の成長率が突出していることがわかる。
購買体験の向上が新たな顧客獲得にもつながっている。同じく今年第2四半期の決算報告によると、拼多多アプリの月間アクティブユーザー(MAU)は前年同期比88%増の3億6600万人で、第1四半期の2億8970万人から7630万人も増えている。これを年換算してアリババや京東と比較すると、拼多多は新規客獲得数で1位、既存客数で2位となり、集客面ではまさしくチャンピオンといえる。
これまで地方都市や農村部のユーザーをターゲットにして成長してきた拼多多だが、一~二級都市在住のユーザーによるGMVが貢献度を高めているという。今年1月にはGMVの37%が一~二級都市在住者がもたらしたものだったが、6月には48%となっている。
余剰商品に低価格をつけてヒット商品に変身させ、「安くてお得」を実現してきた拼多多。同時に「安かろう悪かろう」のイメージもついてしまったが、その悪印象も徐々に変わりつつある。ブランドやデザインに無頓着で、実用性を重視するユーザーにとっては、拼多多が取り扱うノーブランド商品は魅力的だ。
ただし、売上高や利益の面ではアリババには遠く及ばず、赤字が続いている。野村證券、ゴールドマンサックス、バークレー銀行など多くの投資機関からの高評価を得ているものの、彼らが評価しているのはあくまで拼多多の将来性であり、仮に現在の成長ペースが維持できない場合は収益化が困難になるため、時価にも影響してくるだろう。
アリババや京東は今年に入って、拼多多の主戦場である地方市場に力を入れはじめている。拼多多にはさらなる大きな壁となって立ちはだかることだろう。
(翻訳・愛玉)
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