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電気自動車(EV)の熱マネジメント(熱管理)システムを手がけるスタートアップ企業「普法芬電子科技(Pufaffen Electronics)」(以下、普法芬)がこのほど、シリーズAで数千万元(数億~十数億円)を調達した。出資には、曲阜天博(TEMB)、上海汽車空調配件(SAAA)、上海佐竹冷熱控制技術(SSCHC)、弘源資本(HY Asset Management)が参加した。資金は製品の開発・改良や生産能力の拡充に投じるほか、海外事業の開拓を進めるために用いるという。
普法芬は2019年に設立され、熱マネジメントシステムと制御アルゴリズムを開発しており、上海市のハイテク企業と「専精特新(専門化、精密化、特色化、斬新化)」企業に認定されている。同社はエネルギー予測やAIアルゴリズムの技術を通じて、自動車メーカーが高度に集約された熱マネジメントシステムを構築できるよう支えている。事業を当初の製品生産からワンストップ式ソリューションへと拡大し、これまでに国内外の自動車メーカー20社以上、トップクラスのティア1サプライヤー10社以上と提携してきた。
EV車両の電池・モーター・電気制御システム(三電システム)や車室では熱をコントロールする必要があり、EVがさまざまな環境で最適な性能を保つうえで熱マネジメントシステムが重要な役割を担う。しかし、自動車販売市場の競争が激化する中、EVの熱マネジメントシステムにも、より高い性能とコストパフォーマンスが求められるようになった。
同社は、車室や電気系統の熱マネジメントシステム、ヒートポンプシステムなどの製品を展開。システム設計やコ・シミュレーション、サプライヤーデータベースを通じて、自動車メーカーに部品の選択肢を提供し、開発にかかる時間とコストの削減を後押ししている。
そして注目すべき点は、同社が継続的にAI技術や特化型アルゴリズム、エンドツーエンド製品の開発に資金を投じていることだ。
エンドツーエンド製品ではAI技術を使って、従来のオートエアコンをスマート化されたパーソナライズ可能なエアコンへと改良した。同社は、熱システムの豊富な開発経験と大量の知識・データを蓄積しているうえ、AI生成コンテンツ(生成AI)技術をソフトウエアの開発プロセスに導入したことで、開発にかかる時間を大幅に短縮した。
また、コ・シミュレーションと半物理的ミュレーションの基本的な開発ツールチェーンを構築し、デジタルツインの開発とエネルギーフローの測定に取り組んでいる。
コ・シミュレーションは、車両のシステム・部品のデジタルモデルと実際の物理的環境を結び付け、車両の経済性を正確に予測して最適化を図るもので、車両とシステムのバーチャルキャリブレーションや新機能のオンライン検証ができ、開発の効率向上とコストの削減につながる。
EVの普及によって、自動車産業の価値基準が大きく変化した。熱マネジメントシステムは、EVの航続距離とエネルギー管理だけでなく、スマート化が進む車両の快適性や安全性にも関わっており、その価値がますます高まっている。
中国自動車工業協会(CAAM)自動車熱システム分会の幹部は、ソフトウエアや車両の熱マネジメントシステムを手がける普法芬が頭角を現したのは、時代の流れであり、今後のトレンドにもマッチしているためだとの見解を示した。
*1元=約21円で計算しています。
(翻訳・大谷晶洋)
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