目指すは中国版「Ray-ban Meta」。スマホ大手のシャオミ、AI搭載スマートグラスを来年発表へ

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中国スマートフォン大手のシャオミ(小米集団)が、AIを搭載したスマートグラスの発売を目指し、数カ月前から中国のODM大手企業・Goertek(ゴアテック)と提携しているという。2025年4~6月期にリリースの予定で、シャオミの雷軍CEOは30万台以上の出荷を見込んでいるとの情報もある。

事情に通じた人物によると、シャオミのスマートグラスは米メタの「Ray-ban Meta」をベンチマークとして、AI機能やスピーカー、カメラを搭載し、シャオミブランドから発売するという。

この件に関してシャオミに問い合わせたが、現時点で回答は得られていない。

2025年にはAI搭載スマートグラスの普及が一気に進むだろう。次世代型スマートグラスの開発競争で先陣を切ったのはバイドゥ(百度)だ。11月12日に開催された年次イベント「百度世界大会2024」で、世界で初めて中国語の大規模言語モデル(LLM)を搭載したとうたうスマートグラスを発表した。バイドゥが独自開発したLLM「文心大模型」と対話型AI向けの「DuerOS」を搭載し、2025年上半期に発売される予定。

バイドゥがリリースしたスマートグラス

このほかにもファーウェイ、OPPO、vivoなどのスマートフォンメーカーや、テンセント、バイトダンスといったネット大手がAI搭載スマートグラスの開発を検討しているという。米アップルもスマートグラス市場を調査するための専門チームを組織したと海外メディアが報じた。

AI搭載スマートグラスに必要なソフトウエアについては、各社ともに1年前から準備を始めている。ここ最近のスマートフォンメーカーの発表会では、マルチモーダルLLMやAIアプリに対応させるため、オペレーティングシステム(OS)や音声対話方式を再構築する動きが相次いで明らかにされている。これらOSやLLM、音声対話はまさに、スマートグラスに欠かせないソフトウエアなのだ。

ただ複数の業界関係者は、スマートグラス開発に前向きな前述の企業各社も「多くはサプライチェーン企業と密に連絡を取っている段階で、まだプロジェクト立ち上げにまで至っていない」とし、プロジェクト始動は早くても2025年の末頃になるとの見方を示した。

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各社がAI搭載スマートグラスの開発競争に乗り出すきっかけとなったのは、メタが有名サングラスブランドRay-ban(レイバン)と共同開発したRay-ban Metaの大ヒットだ。今年1~9月の世界出荷台数が110万台を超え、年間出荷台数は150万~200万台と予想されるなど、今年最もホットなAIデバイスとなった。

ある業界関係者は、Ray-ban MetaのヒットによりAIデバイスの新たな道筋が示され、確かなニーズがあることが実証された一方で、そのAI機能が中国では利用できないため、「中国版Ray-ban Meta」の開発を目指して国内メーカーが意欲を燃やしていると分析する。

戦略面では大手とスタートアップ企業でいくらか異なっている。落ち着いて構える大手に対し、スタートアップは先を争うように国内外の有名メガネ・サングラスブランドとの提携に動き出している。

メタとレイバンの例から明らかな通り、テック企業と老舗メガネメーカーが手を組むことには大きなメリットがある。メタがAIなどスマートグラスの技術面を担当し、アイウエアに関わるノウハウやチャネルといったメタにはない部分をレイバンが補強するという具合に、それぞれの強みを生かせるからだ。実際、機能の優れたスマートグラスを作っても、快適に日常使いできるとは限らない。かけ心地の良い重心設計や中国人の顔に合わせたフレームデザインなど、アイウエア業界のノウハウがどうしても必要になる。

2025年にシャオミや大手スマホメーカーのスマートグラスが続々と発表されれば、スタートアップはかなり不利な状況に陥るだろう。各社ともに着々と準備を進めているが、本格的な開発競争が幕を開ければ壮絶なバトルが繰り広げられることになるはずだ。

(翻訳・畠中裕子)

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