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中国の通信機器大手ファーウェイとゲーム開発の「游族網絡(Youzu Interactive)」は11月7日、事業提携の枠組み協定を締結した。今後はゲーム事業で提携し、スマホやPCを含むクラウドゲームのソリューションと製品のリリースを目指す。
ファーウェイがクラウドゲーム事業を手掛けるのはこれが初めてではない。ほぼ同じタイミングで「順網科技(Shunwang Tecnology)」もファーウェイiLabと家庭用クラウドゲームのテストモデル構築で提携している。
「クラウドゲーム」と言う名称は馴染みのない言葉だ。ゲーム機を使う従来のゲームは端末にリソースをダウンロードする必要があるが、クラウドゲームはプラットフォームが完全にクラウド上にあり、点在するサーバーで処理やレンダリングをされたデータがゲームプレイヤーに配信され、プレイヤーの操作も瞬時にクラウド上へと送り返される。つまり、ゲーム機を使わなくてもクラウドに接続すればすぐに遊べることになる。
ファーウェイのような端末メーカー以外では、インターネット企業がクラウドゲーム事業を先に展開していた。グーグルは今年3月のGDC(ゲーム開発者会議)で完全クラウドベースのゲームプラットフォーム「Stadia」を発表。複数の端末でプレイでき、例えばStadiaにある「アサシンクリードオデッセイ」をPCでプレイしてからグーグルスマホ「Pixel」に切り替えると、ゲームの進行状況が数秒以内に同期される。
これはゲーム業界にとって大きな変革を意味し、ゲーム機の販売とそのプラットフォームで収益を上げているソニーやマイクロソフト、任天堂は試練を迎えるはずだ。
携帯電話メーカーの参入がモバイルゲーム業界に影響をおよぼし、インターネット大手も相次いでこのチャンスに目を付けた。網易(ネットイース)が端末メーカーであるファーウェイと提携してクラウドゲームのMMORPG(大規模多人数同時参加型オンラインRPG)「逆水寒」をリリースしたほか、テンセント(騰訊)もクラウドゲームプラットフォーム「WeGame」を展開。アリババはクラウドコンピューティング事業を手掛けているものの、ゲーム事業では今のところ大きな動きをみせていない。
5Gネットワークの普及に伴い、今後はクラウドゲームがゲームの主流スタイルになる見通しだが、ブロードバンドはまだゲームプレイヤーが満足する水準には達していない。こうした過渡期において、メーカーは自社に適した道を早期にみつける必要がある。
(翻訳・神戸三四郎)
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