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中国自動車大手の浙江吉利控股集団(吉利グループ)は5月7日、ニューヨーク市場に上場している傘下の電気自動車(EV)ブランド「極氪(Zeekr)」を完全子会社とし、株式を非公開化する方針を明らかにした。吉利グループは現在、Zeekrの株式の約65.7%を保有しており、残りの株式を買収する。
Zeekrは2021年3月に設立され、24年5月にニューヨーク上場を果たした。24年の販売(納車)台数は22万台余りだった。
吉利グループはここ半年で、「幾何(Geometry)」や「領克(Lynk & Co)」など傘下の新エネ車ブランドブランドの統廃合を進めてきた。Zeekrの完全子会社化も、グループ再編の一環とみられる。
吉利グループの李書福董事長は「市場競争の激化と経済環境の不確実性に対応するため、『台州宣言』の精神に基づいて自動車事業の戦略的統合を進め、『一つの吉利』に回帰する」とし、「技術力の集約と収益力の向上を図り、長期的な価値を創出することで世界をリードする『スマートEVグループ』の構築を目指す」とコメントした。台州宣言は吉利グループが2024年9月に発表した新たな経営指針で、自動車事業への戦略的集中や傘下ブランドの統廃合などによる競争力の強化を掲げている。
吉利汽車(Geely Automobile)の桂生悦CEOは5月15日の説明会で、「中国自動車市場は、もはや少しのミスも許されない環境にある。吉利グループの競争力強化に向け、グループ内ブランドの迅速な統合が不可欠だ」とした上で、吉利グループ傘下のブランドが「小さくバラバラで統一感がない」現状を改めるべきだと強調した。
桂CEOによると、Zeekrと吉利汽車は別々の上場企業であり、それぞれ異なる人事制度やインセンティブ設計を持つため、「組織間で利益の不一致が生じている」ことが課題だったという。
(36Kr Japan編集部)
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