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独フォルクスワーゲン(VW)が中国市場における電気自動車戦略を正式に始動した。
11月8日、上海フォルクスワーゲン(上汽大衆)が上海安亭鎮で建設していた同社初となる電気自動車(EV)工場が完成した。同工場の年間生産能力は30万台で、来年10月より量産を開始する予定。同日、新工場1台目となる「ID.」がラインオフした。
上汽大衆が建設したこのEV工場はVWグループにとって世界初のMEB(EV専用の車台)工場となり、中国にとっても初めてのMEB工場となる。同工場は昨年10月に着工、総額170億元(約2600億円)が投入された。将来的には主にVW、シュコダ、アウディと3つのブランドのBEV(純電気自動車)シリーズと後続モデルを生産する。
MEBはVWグループがBEV生産のために研究開発したモジュール化プラットフォームだ。同プラットフォームのバッテリーパックは極めて強い拡張性を持つ。異なった車種とその用途に合わせて駆動力のレベルを調整でき、航続距離は最高で550キロメートル以上にも達する。
今回ラインオフした「ID.」はMEBで製造される中型SUVのBEVである。上汽大衆によると、これは「ID.」シリーズ初の量産モデルで、来年下半期に正式に発表される予定だ。
将来的に、VWの「ID.」シリーズが中国向けに導入する車種はSUVタイプのBEV、ハッチバックセダンタイプのBEVなどだ。上汽大衆によると、後続で生産を始める車種の各工程における生産準備も全面的に開始しているという。現在すでに独ツヴィッカウ工場で量産の始まっている「ID.3」も将来的にはこの上海の新工場で生産される予定だ。
VWグループCEOであるディエス博士は、2028年までに同グループが世界中で生産するBEVは2200万台に達し、その半数以上は中国で生産されるだろうと述べている。
英調査会社「LMC Automotive」の予測では、2025年にVWは年間販売台数141万6000台で世界の電気自動車販売台数トップとなる見込み。この数字はテスラの予測販売台数(41万2900台)の3倍以上だ。
(翻訳・山口幸子)
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