アップルとインテルがソフトバンク傘下企業を提訴 「特許権の買い占めは独禁法違反」

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アップルとインテルは米現地時間11月20日、ソフトバンクの子会社である米投資会社フォートレス・インベストメント・グループが反トラスト法(独占禁止法)に違反しているとして提訴した。フォートレスがソフトウェア関連特許を買い占め、特許を実施していない状況においてテック企業各社に対する特許侵害訴訟を提起している件に関するものだ。

中国のポータルサイト「新浪(SINA.COM)」の報道によると、アップルとインテルの両社は、フォートレスがテクノロジー企業の研究開発と販売活動を妨げている上、それらの企業に対し最大51億ドル(約5500億円)もの賠償を要求していると主張している。インテルのフォートレスに対する訴訟はこれで二度目となる。

フォートレスは2017年に33億ドル(当時レートで約3752億円)でソフトバンクに買収され、独立事業としてニューヨークでの運営を続けている。紛争はフォートレスのインテルに対する特許侵害訴訟から始まった。フォートレスは、2011年以降のインテルのプロセッサーには特許違反の問題が存在しており、これらプロセッサーの特許はいずれもオランダの半導体企業NXPセミコンダクターズに属するものだが、フォートレスは以前よりNXPセミコンダクターズの特許権を取得していたとの主張を繰り広げた。

インテルは先月になって、フォートレスが反トラスト法に違反するとしてカリフォルニア州北部地区連邦地裁に初提訴していたが、解決に至らないとして撤回していた。

フォートレスの行為は事実上、「パテント・トロール」の特徴と一致している。この呼称は1993年にアメリカで使われるようになったもので、国際的には過去にNPE(Non-Practicing Entity、特許不実施主体)とも称されていた。特許訴訟によって得る賠償金が特許取得費用をはるかに上回ることから、こうした手法は往々にして労力を得ずに多額の収入を得る手段となってきた。

注目に値する点は、インテルが1990年代にこうしたパテント・トロールによる訴訟を度々起こされていたことだ。英BBCは以前、特許関連訴訟の6割がパテント・トロールにより提起されており、統計結果によれば、賠償金の7割がこうした企業に取得されたと報じている。

現段階で、ソフトバンクおよびフォートレスは今回の訴訟に関するコメントを発表していない。しかし両社による訴訟行為は国際的なパテント・トロールに対抗する上での効果を発揮するといえるだろう。
(翻訳・神部明果)

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