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日本への進出を昨年末に果たした中国のスマートフォンメーカー大手シャオミ(小米科技)が、欧州市場を今後の重点に据えているという。中国では国内四大メーカーとしてファーウェイ、シャオミ、OPPO、vivoが挙げられているが、ファーウェイ以外の3社はいずれも海外市場に活路を求めており、OPPO、vivoもシャオミに追随して欧州市場を重視するようになっている。
米ブルームバーグの報道によると、シャオミ国際事業部の総裁を務める周受資(Shouzi Chew)氏は、同社が今年も西欧、インド、東南アジア、ラテンアメリカなどすでに進出済みの市場で事業推進を強化するとしている。特にスペイン、イタリア、フランス、ドイツを重視していくという。
欧州市場は規模的にも大きく、グローバル展開を目指す大手メーカーにとって魅力的だ。シャオミは昨年から欧州を中心に事業のグローバル化を狙っている。現在は同市場で第4位のスマートフォンメーカーとなっており、成長速度も速い。市場調査会社カナリスによると、昨年第3四半期におけるシャオミの欧州市場シェアは10%を超えた。短期間で叩き出した好成績に、後続のOPPO、vivoにも弾みがついている。
OPPOは2018年に欧州に進出しており、市場調査会社カウンターポイント・テクノロジー・マーケット・リサーチの調べでは、同社は昨年第3四半期に欧州市場5位のメーカーに成長している。シェアはまだ2%とわずかで上位4社との差は大きいが、伸びは速い。
vivoも今年中の欧州進出を控えており、今後は成長の起点を海外市場に据える計画だ。2月にバルセロナで開催される世界最大のモバイルカンファレンス「モバイルワールドコングレス(MWC)」で戦略の詳細を発表するという。
シャオミ、OPPO、vivoの海外戦略は比較的似ており、まずはインドや東南アジアに軸足を置く。とくに1億台規模の出荷台数が望めるインドは重要市場で、3社とも過去数年にわたりインドで足固めを進めてきた。次のステップは欧州だ。
シャオミは2018年にインド首位のスマートフォンメーカーとなり、2019年になって海外事業戦略の重心を欧州に移している。同年にはOPPOやvivoもインドのトップメーカーとしての地位を固めた。IT専門調査会社IDCのデータによると、vivoは昨年第3四半期にインド市場のシェアを15%に、OPPOはインドに特化したサブブランドRealmeを含めてシェアを20%に伸ばした。
シャオミ、OPPO、vivoの3社とも中国国内事業が不振で、海外事業のさらなる拡大は必須の一手だ。というのも、国内トップメーカーのファーウェイが米国による禁輸措置を受けた昨年第2四半期以降、自国市場の強化に転じたため、これが3社にとっての重しとなったからだ。
カナリス、IDC、カウンターポイントの統計によると、昨年第3四半期のファーウェイの中国市場シェアは前年同期比60%増の42%で、OPPO、vivoは20%以上、シャオミは30%以上もシェアを下げた。3社が海外での展開を加速したのはこうした国内での不振を穴埋めするためだ。
中国のスマートフォン市場は今年もファーウェイ一強で推移するとみられる。
※アイキャッチ画像はシャオミより
(翻訳・愛玉)
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