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新型コロナウィルスの影響のためネット配車サービスが大ダメージを被っている。業界最大手の「滴滴出行(Didi Chuxing)」もその例に漏れず、同社では目下新規業務を模索している。
現在確認できている情報によると、DiDiはすでに成都と杭州で買い物代行サービスを始めている。アプリ画面からコーヒーのテイクアウト、生鮮野菜、薬品などの買い物代行を依頼することができ、料金は4km以内が12元(約180円)、4〜10kmが20元(約300円)、10km以上が30元(約450円)となっている。新規ユーザーの最初の注文には8元(約120円)の割引クーポンが適用される。
買い物代行のスタッフは滴滴で運転代行者として登録している運転手だ。運転代行は滴滴の各種業務のなかでトップクラスの利益率を誇っていたが、感染症のため利用者が激減している。その一方で、買い物代行の需要が高まっているため、仕事のない運転手をこちらに回すことで、彼らがDiDiでの登録を打ち切らないようにすることができる。
DiDiの公式情報によると、買い物代行は感染症流行後に始めた新規事業であり、市民の生活支援と運転手の収入確保の両方の目的がある。いくつかの都市で試験的に運営をした後に全国展開を目指し、買い物代行専門のスタッフの募集も行われる予定だという。
メディアの報道によると、同事業はDiDiの運転代行運営チームが担当しており、同チームは「インクルーシブ・モビリティ事業群」に所属する。同チームではわずか1週間で業務の計画立案からサービス開始までこぎつけることができたという。
データ調査会社「極光大数拠(AURORA)」の統計によると、2018年7月時点で、アプリによる買い物代行の市場浸透率は0.47%であり、ユーザーは約513万であった。現在の買い物代行サービスには、「UU跑腿(UUPT)」、「閃送(FlashEx)」のようなスタートアップのほか、「美団(MEITUAN)」、「京東(JD.com)」、「餓了麼(Ele.me)」、「蘇寧(SUNING)」などのインターネット企業、小売大手も参入してきている。宅配大手の「順豊(SF Express)」も同様のサービスを提供し始めている。
DiDiはこれまで、海外でデリバリーサービスを試みたことがあり、今後中国国内での買い物代行サービスが順調に成長すれば、デリバリーを国内で展開する可能性もある。トラフィックの規模と運転手の人数で強みを持つDiDiが参入すれば、既存企業にとって強力なライバルになるだろう。
グループ全体を見ると、DiDiの成長戦略はUberと似ていると言える。Uberはネット配車のほか、自動運転、デリバリー、貨物輸送、保険などに進出しているが、DiDiも保険業との関わりをより強化している。
3月10日付の中国銀行保険監督委員会の公告によると、DiDiの完全子会社である「迪潤(天津)科技有限公司」が、「現代財産保険公司(Hyundai insurance(China))」に11億元(約165億円)の増資を行った。増資後のDiDiの持株比率は32%で、レノボの支配会社でもある「聯想控股(レジェンドホールディングスコーポレーション)」と並んで、現代財産保険の第二位株主となった。
(翻訳:小六)
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