赤外線画像一枚で健康リスクがわかる、経絡AI+サーモグラフィーによるスクリーニング検査

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医療用療用赤外線サーモグラフィー技術(Digital infrared thermal imaging、以下「DITI」)とは、人間の体表面の皮膚温度分布を測定し、それを色分布などで画像化して癌や血流の低下などの診断に用いられる。

次世代の医療用サーモグラフィー技術に注力するスタートアップの「碧拓科技(beTemp)」は、DITI、CTスキャン、MRI(磁気共鳴画像)などの診断画像と診察データを比較し、研究を進めている。同社が開発した上気道リスク識別技術は、上気道で発生した呼吸器疾患の診断画像をもとにAIで分析することができ、新型コロナウイルス対策においても早期発見につながる。

業界動向

医療用サーモグラフィーは形態画像(超音波、CT、MRIなど)にとって有益な補充である。形態画像だけでは発見できない、または機能の異常より遅れてしか発見できない症状が、サーモグラフィーで早期発見できることがある。関連研究によると、腫瘍の発見において、サーモグラフィーはCT、MRIより6~12ヶ月も早いという。 

現在、医療用サーモグラフィーは生命情報、未病状態の判断、腫瘍の進行予測、漢方医学の診察、人体の異常のスクリーニング(新型コロナウイルスのスクリーニングを含む)など重要な先端分野で使われている。

中国では基礎医療機関でのスクリーニングや早期発見に対する需要が高まるにつれ、DITIはより重要になっていくだろう。特に民間の検診機関では、DITIによる早期発見の実用化がより早く進み、大量の利用者も見込め、将来的には百億元(約1500億円)規模のブルーオーシャンになる可能性がある。

beTempの革新ポイント

2019年、beTempはDITIを使い「経絡AI」の開発に成功し、漢方医学でいう経絡とツボを自動的に識別し、温度変化のデータを提供するもできる。医師はこれにより、鍼灸治療前の診断と治療後の効果確認を行い、鍼灸の近代化と標準化を実現できる。

 また、beTempの製品を使うことで、医師の診断と画像確認の効率が大きく高まり、基礎医療機関に勤務する総合診療医でも使い方をマスターするのが簡単で、すぐに患者に説明できるようになるという。DITIの設備はポータブル式で導入コストが低く、基礎医療機関のスクリーニング検査に最適だと言える。

2019年、同社はすでに中国の38の医療機関にサービスを提供し、患者数が延べ27万人に達した。 

今後の展開については、DITIの臨床応用が定着しており、課題の多い呼吸器科やペインクリニック科などでの普及を目指すという。AIエンジンとSaaSを医療機関に同時に提供し、効率向上と診察できる患者数を増やすことができる。

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