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消息筋によると、アリババ傘下のスマートコンビニ「便利蜂(Bianlifeng)」は1年前に北京エリア全店トータルで黒字化し、全国トータルでは早ければ2020年年末にも黒字化が達成できる見込みだ。また、同社の資金調達額が累計で15億ドル(約1600億円)を超え、世界トップクラスのPEファンドや大学、ソブリン・ウエルス・ファンド、大手インターネット企業などが出資したとの情報も流れている。
便利蜂に上記の情報の真偽を確認したところ、北京エリアでの黒字化、資金調達額はともに事実だということがわかった。しかし、資金調達の詳細については未公表であり、現時点でインターネットで閲覧できる情報は不正確だという。
便利蜂は現在中国本土の20都市に1500店以上出店し、出店数は北京で500店以上、天津で200店以上、華東地区で数百店だ。華南地区では2020年2月に深圳に初出店した。1号店出店から1500店以上になるまでわずか3年しかかかっていない。
コンビニ業界では、オープンから黒字化まで通常7年かかるとされているが、便利蜂はわずか3年でこれを成し遂げた。成功の要因は、次の2点に集約することができる。
まず、設立当初から日本のコンビニを手本に運営してきたことである。日本のコンビニでもっとも利益を上げているのが中食商品とプライベートブランド商品であり、中国のコンビニと比べた場合の最大の強みもここにあった。便利蜂は設立当初から華北と華東地方で複数の食品工場に投資し、そのなかには北京のセブン・イレブンに食品を供給している工場も含まれていた。さらに、便利蜂は今年2月に天津で2ヘクタールの土地の使用権を取得し、自社所有の中食供給センターを建設する予定である。
プライベートブランド商品において、同社は2年間で200近いSKUを開発し、昨年11月に「蜂質選」というブランド名で発表した。同社の公式発表によると、売上高のうち、便利蜂の中食商品とプライベートブランド商品の占める比率は、日本の3大コンビニとほぼ同じだという。
次に、最先端のシステムの活用である。便利蜂はデータとアルゴリズムによる効率化を重要視しており、データ収集、アルゴリズムの開発、計算力の向上に多額の投資を行い、店舗の商品や出店場所の選定でこれらを活用してきた。
同社はかつてこのような実験をしたことがある。セブン・イレブンのベテラン店長10人にある店舗のデータをすべて渡し、1週間かけて店内のSKUを10%削減させたところ、次の日の売上高が5%減少した。しかし、同じことをアルゴリズムにやらせると、0.7%しか次の日の売上高が下がらなかったのである。
システムを活用するためには大量のデータが必要で、同社の大量出店戦略と好相性である。さらに、データで磨き上げたシステムは最適の出店場所を示してくれるため、さらなる出店を後押しすることができる。両者は好循環を形成しているのである。
北京エリアのトータルでの黒字化は、便利蜂の戦略が正しいことを証明した。同社は今年北京のノウハウを急ピッチで他エリアに横展開し、2020年年内の黒字化を目指すだろう。
(翻訳:小六)
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