中国新興EVメーカー「BYTON」が米国でリストラ 賃金未払いトラブルも

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米国時間6月24日午前8時50分頃、(中国時間6月24日夜)、中国の新興EVメーカー「BYTON(バイトン)」CEOのDaniel Kirchert氏は、北米の従業員向けの社内メールにおいて、6月30日までに米国でリストラを行い、米国での未払賃金を6月30日までに支払うことを通達した。

戴雷CEOのメールのスクリーンショット画像 インタビューに応じた関係者が画像を提供

Daniel氏のメールによれば、同社は米国で知的財産権とオペレーション部門の従業員のみを残すとしており、これらの部門の従業員は部門担当者から連絡を受けたという。今後のバイトンの海外事業は、シリコンバレー、南京、ミュンヘンの3カ所にある現地法人の協力の状況によって判断するとしている。

関係者によると、米国でのリストラについては、バイトンの株主と経営陣の間ですでに合意がなされており、リストラにより発生する法的手続きの経費として、中国本社が2020年6月8日に米国現地法人に60万ドル(約6400万円)を支払い済みだ。

同社の経営陣の間で共有された文書によると、バイトンの経営陣は取締役会に対し、6月15日までにドイツのサプライヤーへの未払金として40万ドル(約4300万円)、6月19日までにドイツの従業員の社会保険料として300万ドル(約3億2000万円)を支払うよう提案している。現時点では40万ドル(約4300万円)が支払い済みで、300万ドル(約3億2000万円)のほうは6月第4週中に振り込まれる予定だ。

この文書では、上記の金員を支払わなかった場合、ドイツで強制的に倒産手続きを命じられるリスクがあり、他国の現地法人への影響が懸念されると指摘している。さらに、社会保険料の未納による刑事責任を追及される恐れがある。

バイトンは6月24日午後4時50分に中国の従業員にも社内メールを送信しており、取締役会と未払賃金の解決策について協議中だとしたうえで、来週の取締役会で解決策が可決されれば、可及的速やかに賃金を支払うとしている。

関係者によると、可決される公算が高い解決策は、今年3月の賃金のみを支払うというものである。4月以降の未払分については現時点では解決の見通しが立っていない。

6月23日に100名近いバイトンの従業員が同社の本社前に集まり、賃金の支払いを求めるトラブルがあった。会社側はまず1カ月分を支払うことで理解を得ようとしているが、従業員側はあくまで4カ月分を速やかに全額支払うよう求めている。

関係者によると、6月25日時点で、バイトンには中国で4カ月分、約1億元(約15億円)の未払賃金があるという。

バイトンは2016年に設立された新興EVメーカーだが、初の市販車であるラグジュアリーSUVの「M-Byte」はまだ発売できていない。もともとこの車種は、今年下半期から予約受付を開始し、2021年末までにドイツ、スイスなどで納車を開始する予定だった。

(翻訳:小六)

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