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完全自動運転(レベル4)に特化した中国のスタートアップ「文遠知行科技(WeRide.ai)」が今月10日、遠隔制御によるコネクテッドカーの公道試験を許可されたと発表した。広東省広州市の交通運輸局、工業・情報化局、公安局が共同で許可したもので、同社は完全無人運転の公道試験を認められた中国初の企業となった。安全確保のための添乗員が乗車せず、広州市内の一般道を無人で走行することになる。
WeRideによると、試験車両は次世代通信規格5Gを用いて遠隔制御する。道路の一時通行止めなどイレギュラーな状況に遭遇すると遠隔制御モードに即切り替わるという。遠隔制御は1000時間以上のシミュレーション訓練を経た人員が担当する。
WeRideは昨年11月末に広州市で中国初となる無人タクシー(ロボタクシー)の運営をスタートした。144平方メートルに及ぶ広州開発区などの限定区域の公道で200日以上にわたり無事故営業を続けている。今年6月からは地図サービス「高徳地図(Autonavi)」と連携し、中国国内では初となる配車プラットフォームと自動運転開発企業の協業によるロボタクシーサービスを実現させた。
同社は100台以上の自動運転車両を駆使し、累計260万キロ以上におよぶ路上試験を行ってきた。同社のシミュレーションシステムはこれまでの路上試験で積み上げてきたデータを基に、48万にも及ぶシナリオデータ、2億を超える三次元物体のアノテーションデータを収集し、クラウド上で1日100万キロにも上る走行シミュレーションを行っている。
WeRideは自動運転企業の中でもいち早く5Gを活用した遠隔制御に取り込んできた。2018年9月には中国で初めて5Gによる遠隔制御を実現。同社が路上試験を行っているエリアにある広州国際生物島(Guangzhou International Bio Island)は中国初の自動運転応用モデル地区であり、5Gネットワークが全島で敷設済みだ。WeRideは大手キャリア中国聯通(チャイナユニコム)と共同で5G+MEC(モバイルエッジコンピューティング)技術を開発し、超低遅延、超広帯域、超高性能計算を一体化させたデータ処理プラットフォームを提供、ネットワーク遅延を平均0.013秒に抑えている。
同社張力COOによると、ライドシェア中国最大手の「滴滴出行(DiDiモビリティ)」は収入の70%をドライバーの報酬に充てている。これが無人運転に置き換わった場合、仮に単価が同じとするなら、従来はドライバーへ渡っていた70%の収入をそのまま利益にすることができる。ただし、安全確保のための添乗員が不要にならなければロボタクシーの事業モデルは成立しえない。
米国では完全無人運転に関する公道試験の許可を得ているのはウェイモとNuroの二社だけだ。Nuroは今年4月、米カリフォルニア州車両管理局(DMV)の認可によって同州サンタクララ郡およびサンマテオ郡の9都市の一部公道で無人運転車2台の試験走行が可能になった。ただし積載できるのは貨物だけで、人は乗せられない。また、主にロボタクシーに注力するウェイモは昨年10月にDMVの認可を受け、同じくカリフォルニア州サンタクララ郡のパロアルトなどの公道でロボタクシーの試験運転を行っている。
(翻訳・愛玉)
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