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人材採用スマート管理システムの「Moka」がシリーズB+で著名ベンチャーキャピタルから1億元(約15億円)強を調達した。資金は人材採用や製品開発、事業拡大に充てられる。シリーズBと合わせると調達額は3億元(約45億円)を超えている。
2015年に設立されたMokaは、採用プロセスの統一管理、企業人材バンクの蓄積と運用、採用データの統計分析を行っており、同社製品はソーシャルリクルーティング、大学における採用活動、リファラル採用、ヘッドハンティング、小売チェーン店などで活用されている。
36Krは以前、Mokaの強みは採用プロセスのオンライン化に加え、データと技術を活用したプロセス改善、問題の発見、効率アップだと紹介したことがある。その後、Mokaは「履歴書標準化解析」、「履歴書ダブルチェック」、「人材バンク自動推薦」、「スマートジョブマッチング」などの機能を続々とリリースしてきた。企業の既存の人材データベースを活用して新たな履歴書を効率的に選別するので、コスト削減や意思決定の最適化に役立っている。人事労務や管理コストのほか、人材の重複推薦による無駄な支出を削減できる。また、データに基づくスクリーニングで、人事の選考作業を軽減し、エネルギーをより創造的で価値のある仕事にまわすことも可能だ。
資金調達と共に、李国興氏がMokaのCEOに就任し、会社の経営管理、生産、研究、業務を統括することも発表された。李氏はMokaの共同創業者で、専攻はAI、上海交通大学とスタンフォード大学を卒業し、Facebookやクラウドモニタリングのスタートアップ「SignalFx」に勤務した後、趙欧倫氏と共にMokaを設立した。
李氏は「過去5年間の発展において、Mokaは業界で高い評価を得てきた。現在の顧客獲得コストは業界平均の3分の2であり、新規契約による売上高の成長率は年間200%を維持している。また、Mokaの年間更新率は基本的に110%と安定しており、今年の新型コロナウイルス感染症流行の影響を受けても100%以上を維持している」と語る。
Mokaのターゲットは、従業員数500人以上で、ある程度の採用枠を持つ企業だ。今年6月時点でMokaの有償サービスを利用している企業は、家電メーカー「シャオミ(小米科技)」、ネットワークセキュリティ大手「360」、配車サービス「滴滴出行(DiDi Chuxing)」、マクドナルド中国、バーガーキング、ドラッグストア「ワトソンズ(Watson’s)」、アリババ系生鮮スーパー「盒馬鮮生(Hema Fresh)」、アパレルメーカー「赫基国際集団(Trendy International Group)」や「森馬(Semir)」、「太平洋保険(China Pacific Insurance)」、英半導体設計「アーム」の中国法人、中国水事業最大手「北京首創股份有限公司(北京キャピタル)」など700社以上に上る。Mokaのまとめによると、Moka採用管理システムは、企業が採用にかける時間を40%、費用を32%削減し、スピードを51%向上させ、効果的に企業ブランドを強化できるという。
李氏はまた、次世代のビジネス向け製品はユーザーエクスペリエンスにもっと注意を払うべきだと考え、ユーザーがより効率的に楽しく仕事でき、正確なビジネスデータを豊富に蓄積すべきだと述べている。これに対応すべく、Mokaは2018年にAIとビッグデータのチームを設立し、技術インフラを最適化してきた。ここ1年で、BI(ビジネス・インテリジェンス=組織経営を支援するデータ運用)モジュールや新しいAIソリューションを続々とリリースしている。
36Krは2018年に「AIジョブマッチング」や「履歴書スマート解析」など、履歴書選別のプロセスを効率的にスマート化できるMokaのAIソリューションについて報道した。今年の新型コロナウイルス感染症流行時には、WEB面接などの非接触型求人ソリューションもリリースしている。Mokaは今後もBIとAIへの資金投入を続ける、と李氏は語る。
Mokaの従業員は今や300人を超えた。メンバーの多くはアリババ、テンセント、TikTok運営元「バイトダンス(字節跳動)」、生活関連サービス大手「美団点評(Meituan Dianping)」などの出身で、コアチームにはいろいろな分野のエキスパートが含まれている。オフィスも北京、上海、広州、深圳、杭州に設立した。2020年も引き続き製品、研究開発、顧客の成功支援、販売、マーケティング、人事などで人材を強化し、事業を発展させていくだろう。
(翻訳・永野倫子)
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