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中国の若者に人気の白酒ブランド「江小白(Jiangxiaobai)」が新たな資金調達に成功したと、複数の情報筋が明らかにした。リード・インベスターの「華興新経済基金(Huaxing Growth Capital)」のほか、「正心谷資本(Loyal Valley Capital)」「ベイリー・ギフォード」「招銀国際(CMB International)」などが出資に加わり、資金調達後の評価額は130億元(約2010億円)を超えるとみられる。
これに対し江小白側は「ノーコメント」としている。
2012年創業の江小白は若い消費者をターゲットに、コンテンツと絡めた斬新なコンセプトやオンラインマーケティングで一気にその名を知らしめ、重慶地区で知名度、醸造量ともにトップの白酒メーカーとなった。
設立当初、中国の酒造メーカーには市場における「消費者層」や「ブランド階層」という概念がなく、どの白酒ブランドも「悠久の歴史」「伝統製法」を強調するのみだった。しかし創業者の陶石泉氏はなんとか差別化を図れないかと考える。陶氏は1995年以降に生まれた若い世代をターゲットに定め、江小白を誠実そうな青年キャラクターに擬人化する。
「将来的には、酒造メーカーの商品コンセプトも必ず個性を重視するようになるはずだ」。
こうして誕生した江小白は、程なくして消費者と投資家の双方から絶大な人気を集めるようになった。
ここ数年、酒類業界では新勢力の躍進が目立つ。「胡潤百富(Hurun Report)」の発表した「2019年中国酒類消費行為白書(China HNWI Alcohol Consumption Report 2019)」は、1980年代生まれはワインや洋酒を好むことや、1990年代生まれの消費者層が急速に存在感を増し、TPOに応じた消費を好む傾向が強まっていることを明らかにしている。飲料メーカー世界最大手のコカ・コーラさえもアルコール分野に進出し、2017年以降さまざまなアルコール飲料をリリースしてきた。
アルコール飲料や楽しみ方に対する若者の多様なニーズに触れて、酒造メーカーも若者の好みを把握することの重要性を意識するようになってきた。江小白が世に出たのは、まさにこのニューウエーブの真っただ中だった。
陶氏が目指すのは100年続く老舗だ。「今後20年、理想を言えば50年を江小白の基礎固めの期間とし、ゴールを見据えて今何をすべきかを考えたい」。一つ目の長期目標として掲げているのが、創業10年目から20年目の間にカテゴリトップとなるブランドを3つ以上生み出すことだ。現時点で江小白の清香型高粱酒は、同カテゴリの生産量、販売量トップとなっている。
投資家にとって、このような長期的ビジョンは非常に価値あるものだ。「ビジネスの世界は感情論だけではやっていけない。大きな魚を釣り上げようと思うならじっと待つ必要がある」とは華興新経済基金の運営元「華興資本(China Renaissance)」創業者の包凡氏が語った言葉だ。
消費分野への投資について包氏は「我々はこの世代の人々に賭けている」と述べる。「若い世代の衣食住や消費スタイル、コト消費へのニーズは大きく様変わりしている。彼らこそが今後20年にわたって中国の消費市場を支える大黒柱となるのだ。我々の見立ては当たった。この先20年は安泰だろう」(翻訳・畠中裕子)
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