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9月16日、アリババ傘下のEC「天猫(Tmall)」は不動産取引サービスの「易居(E-House)」と戦略的提携を行ったことを発表し、共同で不動産取引プラットフォームの「天猫好房」をローンチした。
アリババは今年7月末に易居の株式を買い増しており、プラットフォームの立ち上げもその時から予告されていた。今回ローンチされた天猫好房への投資額は50億元(約750億円)であり、持分はアリババが85%、易居が15%。このプラットフォームは、テンセントを株主に持つ不動産仲介大手「鏈家(Lianjia)」にとって、強力なライバルとなるだろう。
公式情報によると、天猫好房は不動産のオンラインフラッグシップストアを開設し、最新技術を使ったオンライン展示を行う予定だという。たとえば、AR技術により、実際の部屋にいるかのように内見でき、日当たり、騒音などもオンラインで確認できるようになる。
また、天猫は易居と共同で「不動産取引協力システム(ETC)」を発表した。このシステムでは、不動産取引を新築、中古、セール、競売の4種類に分け、それぞれの取引過程に必要な機能を提供する。
天猫好房はローンチから3年間は収益にこだわらないと宣言しており、プラットフォームの収益を全額購入者向けの補助金に充てるという。仲介手数料を取らないと宣言したも同然で、こうした手法で大手仲介業者から顧客を奪うことを目指しているのだろう。
易居(中国)ホールディングス周忻董事長は、「易居は不動産情報、販売員支援、不動産のブロックチェーン、不動産購買動向の把握などを得意としており、こうした能力を生かし、天猫とともに不動産市場の課題を改善し、業界全体の技術力を上げ、取引の効率向上を実現したい」と話す。
スマホアプリの「淘宝(タオバオ、taobao)」には、すでに「天猫好房」ページが追加されており、そのページを開くと、目立つ位置に「中古」「新築」のリンクがあり、ほかに「競売」のページもある。一部大手デベロッパーの物件がすでに閲覧可能だが、現時点では他サイト同様、画像しかない。
不動産販売のオンライン化、デジタル化に関して、アリババは今年から様々な試みを行っている。
今年2月、500超の物件に関わる5000名の営業スタッフが、淘宝で不動産のライブ配信を行い、約200万人が視聴した。ある営業スタッフによると、オフラインの販売センターでは1日2組接客できれば御の字だっだのが、ライブ配信により一気に数十人からSNSでのフレンド申請が届き、情報発信の効率が大きく高まったという。
5月下旬には、全国で1万以上の2〜5割引の物件情報が天猫の「618セール(6月18日前後に行われるECセール)」に掲載され、また大手デベロッパの「碧桂園(Country Garden)」が天猫フラッグシップストアを開設すると発表。618セール期間中には、スマホでイケアなどインテリアブランドの天猫店にアクセスした場合、ARで商品確認ができるようになった。
天猫好房は、これらの試みと技術を総合的に使い、内見から取引完了までを一つのプラットフォームで行えるようにさせ、各デベロッパーに天猫のフラッグシップストアを開設してもらうことで、オンラインの不動産総合販売センターとなることを目指している。
(翻訳:小六)
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