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2020年9月22日夜、スマホ大手の「vivo」が新商品発表会を開き、同社初のスマートウォッチ「vivo WATCH」を発表し、スマートウォッチ市場へ正式に参入した。
vivo WATCHの本体はステンレス製、フレームはセラミック製である。ステンレスは摩擦や汗の侵食に強いため、スポーツシーンでの使用を想定するスマートウォッチでよく採用されている。
ディスプレイはAMOLED(アクティブマトリクス式有機EL)を採用し、AOD(Always on Display)と呼ばれる画面オフ状態でも日時、通知などを表示できる機能を備え、50m防水性能を持つ。vivo WATCHには直径46ミリと直径42ミリの機種があり、それぞれさらに2タイプのカラーがあり、計4種類となっている。価格はすべて1299元(約1万9000円)で、9月28日に発売される。
AIの進歩により時計とユーザーのインタラクションが強化され、また、センサー技術の成長もあり、スマートウォッチにおけるユーザーデータの使い方が定着してきている。どのメーカーもフィットネス、健康機能を前面に打ち出しており、vivo WATCHも例外ではない。
vivo WATCHには光学式心拍血中酸素センサー、4種類の衛星測位システム、気圧センサーなど6種類のセンサーが搭載されている。脈拍、カロリー消費量の計算、移動ルートの記録ができるほか、現在もっとも注目されている酸素飽和度の測定も可能だ。
酸素飽和度が測定可能なスマートウォッチは、9月にアップル、ファーウェイからも発表されている。スマートウォッチによる健康状態モニタリングのニーズが高まるなか、酸素飽和度は脈拍、心電図機能に続き、標準機能の一つになりそうである。
スマートウォッチはスマートフォンと接続して使うことが多いため、ほぼすべてのスマホ大手がスマートウォッチを発売している。ここにきて、スマートウォッチ市場のポテンシャルがさらに明らかになったことも、新規メーカーの参入を促した。
調査会社「Counterpoint Research」が発表した「2020年上半期世界スマートウォッチ市場統計」によれば、2020年上半期のスマートウォッチ出荷台数は4200万台であった。スマートフォンの出荷台数が減り続ける一方で、スマートウォッチの出荷台数は2020年上半期に前年同期比20%増となった。
その要因として、新型コロナ禍によって消費者の健康志向がさらに強まったことが挙げられる。このトレンドはしばらくの間変わらないだろう。
しかし、vivoの参入はやや遅れたと言わざるを得ない。スマートウォッチ市場は、アップル、米「Garmin(ガーミン)」、ファーウェイの3社が70%近いシェアを持ち、製品の世代交代にともない品質が向上しており、種類も豊富だ。さらに、メーカーが各自のエコシステムをも作り上げており、参入ハードルが高くなってきている。
そのような市場に参入する場合、大きな変化を引き起こせない限り、すぐに淘汰されてしまうリスクがある。vivoはそれだけの覚悟を持っているはずだが、新規参入者としては、あまりにも尖った機能を持つ製品をいきなり出すわけにもいかない。そのため、最初の製品は安定志向で、まずは様子見といったところだろう。
問題はその後である。vivoが上位3社の牙城を崩せるのか、スマートウォッチにさらなるイノベーションを起こすことができるのか、今後に期待していきたい。
(翻訳:小六)
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