低価格で地方進撃、中国で1万店展開のティードリンク「蜜雪氷城」が上場準備か

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低価格で地方進撃、中国で1万店展開のティードリンク「蜜雪氷城」が上場準備か

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中国で人気の茶飲料チェーン「蜜雪氷城(Mixue Bingcheng)」が、最新の資金調達ラウンドで大型ファンド「高瓴資本(Hillhouse Capital)」および生活関連サービス美団(Meituan)傘下の「龍珠資本(Dragonball Capital)」の出資を受け、評価額が200億元(約3100億円)に達したことがわかった。

蜜雪氷城はこれについて「事実ではない」と否定しているが、関係者などの情報によると、蜜雪氷城はすでに上場準備に入っており、今回を上場前最後の資金調達として10~20億元(約160億~310億円)を確保する計画だったという。

同社は本拠地を河南省鄭州市に構え、設立からすでに十数年が経つ。ミルクティーのほかにフルーツティーやアイスクリームを取り扱い、地方市場を中心に展開している。ほとんどの商品が10元(約160円)以下と低価格設定で、大学生などの若年層をターゲットとするため、出店場所は大学や商業施設周辺を主とする。

昨年の売上高は約60億元(約940億円)、純利益は8億元(約130億円)。大規模にチェーン展開しており、今年に入って出店数は1万店を突破、中国国内では店舗数最多を誇るティードリンクブランドだ。主な収益源は加盟店から徴収する材料費で、加盟費が占める割合は多くない。

蜜雪氷城が地方市場のトッププレーヤーとして成功した理由はどこにあるのだろうか?総括すると、「ボトル飲料から注文後に作るドリンク」へ需要が移りはじめた十数年前に商機を掴んだこと、10元以下の低価格を打ち出したこと、フランチャイズ方式によってスピーディーに事業規模を拡大したこと、低価格のため地方の小さな都市や県にまで店舗を拡大できたことなどが挙げられる。

事業拡大に伴ってサプライチェーンや物流体制、店舗マネジメントをブラッシュアップしていき、ますます武器を磨いたことも大きい。ほとんどの商品が10元以下ではあるが、サプライチェーンの川上を強化することで粗利率は基本的に50%前後を守っており、1杯当たりの原価は2~5元(約30~80円)だ。

ミルクティーを筆頭とする中国の茶飲料市場では、代表格の「HEYTEA(喜茶)」や「奈雪の茶(Nayuki)」が2021年末までに香港市場に上場する計画だ。飲料・食品関連は発行市場、流通市場のいずれも活況で、とくに飲料分野が勢いづいている。無糖飲料ブランド「元気森林(GENKI FOREST)」は最新シリーズで20億ドル(約2100億円)を調達し、ミネラルウォーターを主力とする飲料大手「農夫山泉(NONGFU SPRING)」は今年9月に香港上場を果たした。

新型コロナ禍で飲食関連企業はますます投資界の熱視線を浴びており、トッププレーヤーが続々と資金を得ている。今回の蜜雪氷城以外にも、同じく地方市場を中心に3000店以上を展開するティーブランド「古茗(GOOD ME)」が今年7月、セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉中国)や前出の龍珠資本から戦略的出資を受けた。

競争が過熱するに従い、各ブランドとも商品展開を多様化させている。蜜雪氷城のほかに「CoCo都可(ココトカ)」、「1点点(A LITTLE TEA)」といった数千店規模の大手チェーンがこうしたトレンドに追随する。さらに、「書亦焼仙草(SHUYI)」や前出の古茗といったブランドは、ドリンク以外に軽食類にまで手を広げたり、より高価格帯の商品を開発したりなどして差別化を図っている。

一方のHEYTEAは商品拡充の他に、サブブランドの立ち上げにも動いている。今年になって開業した「喜小茶(MINIHEYTEA)」ではボトル飲料も扱う。飲料業界では老舗の「娃哈哈(Wahaha)」も、今年9月にミルクティー専門の店舗を初出店した。蜜雪氷城は2017年にコーヒーを販売するサブブランド「幸運咖(LuckyCup)」をローンチしている。

(翻訳・愛玉)

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