活況の東南アジアEコマース、4割が越境取引 「Shopee」「Lazada」の二大大手がけん引役

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活況の東南アジアEコマース、4割が越境取引 「Shopee」「Lazada」の二大大手がけん引役

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東南アジアでEコマース業界が驚くべきスピードで成長を続けており、まさにボーナス期を迎えている。米グーグルとベイン・アンド・カンパニー、シンガポールの投資会社テマセク・ホールディングスが共同で発表したレポート「e-Conomy SEA 2019」によると、東南アジアにおけるEコマースのアクティブユーザーは2015年の4900万人から昨年には1億5000万人となり、わずか4年で3倍になっている。

東南アジアのEコマース経済の成長推移(「e-Conomy SEA 2019」より)
東南アジア6カ国におけるEコマース関連データ(シンガポールの物流企業「Ninjavan」提供)

東南アジアにおけるEコマース市場の活況は、越境取引を手がけるプレーヤーにも機会をもたらした。シンガポールの物流スタートアップ「Ninjavan」のデータによると、東南アジアでは越境取引による販売額がEコマース全体の販売額の40%を占めている。エコシステムが完成形に近づくにつれ、東南アジア市場への進出もより容易になり、世界中からますます多くの企業がこのブルーオーシャンを狙う状況となっている。

東南アジアで存在感を見せるEコマースプラットフォーム一覧

中でも東南アジアを代表する二大プラットフォームが「Shopee」「Lazada」だ。以下に詳しく見ていこう。

Shopee

■業績
東南アジアおよび台湾にまたがるEコマースプラットフォームで、現在はシンガポール、マレーシア、フィリピン、台湾、インドネシア、タイ、ベトナムで展開している。昨年の受注件数は前年比100.5%増の12億件だった。アプリ関連の市場調査会社App Annieの昨年のデータによると、東南アジア・台湾地域におけるEC系アプリの総ダウンロード数、平均MAU(月間アクティブユーザー)、使用時間(Androidユーザー)の3項目でトップを飾った。

■優位性
東南アジアにおける競合他社と比較し、運営のローカル化が進んでいる点が最大の強みだ。各市場で個別にアプリをリリースし、現地消費者を最も理解するローカルスタッフによって各地域で独立した運営がなされている。東南アジアでは総人口6億人のうち3億5000万人がモバイルインターネットのユーザーであり、うち30歳以下が50%以上を占める。人口に占める若年層の割合が高く、経済が急成長していることがEコマース業界の成長に追い風となっている。

■サービス内容
出店業者に対してワンストップで越境取引を始められる支援を行う。

集客面では、年間を通じて開催される数々のキャンペーン、有名人やインスタグラムを活用したPRのほか、ライブコマースやゲームも駆使する。物流面では自社で配送チームを持ち、出店業者は国内配送と同じ手順で国内の物流拠点へ商品を送り、それ以降の物流プロセスについてはShopee側が責任を持つ。言語面では無料で自動翻訳機能を提供し、希少言語のカスタマーサービスに関しては翻訳も請け負う。集金面では越境取引の可能なデジタル決済サービス「Payoneer」「PingPong」「連連支付(LianLian Pay)」の三つに対応し、入金は隔週で行われる。ERP(統合基幹業務システム)面では市場に流通するERP製品の95%に対応し、顧客企業の運営効率を向上させる。

■出店業者向けのコメント
越境コマースを手がける中国企業の五大商品カテゴリーは電子製品(パソコン・通信機器・家電)、ファッション小物、コスメ・美容、マタニティ&ベビー、レディースファッションだ。Shopeeのビッグデータを活用すれば、男性向け商品やファニチャーなどの品目でも東南アジアの消費者の心を掴むだろう。

中国の越境コマース企業は取扱品目が豊富なうえ、中国政府による巨大経済圏構想「一帯一路」政策の恩恵を受け、小型包装物の海外発送が安価で簡単な点も強みとなっている。

Lazada

■業績
中国EC最大手のアリババグループが展開する東南アジアの旗艦プラットフォームとして、7000万人超の年間アクティブユーザーを抱え、受注件数では前四半期比100%以上の伸びが数期にわたり続いている。越境コマースのプラットフォーム「LazGlobal」ではファッション、電子製品、スポーツ用品、アウトドア用品などを幅広く取り扱い、受注件数は6年連続で100%以上の成長を続けている。全事業で成長を加速させており、昨年の新規出店者数は前年比10倍を超えた。

■サービス内容
物流面では自社インフラを構築済みで、東南アジアの17都市に30以上の物流センターを抱える。店舗運営・マーケティング面ではライブコマース「LazLive」、ゲームチャンネル「LazGame」を有し、ショッピングとエンターテイメントを結び付けたさまざまな「Shoppertainment(ショッパーテイメント)」の仕掛けがある。他にも店舗運営、ユーザーコミュニティ管理・運営、広告・マーケティング、データ分析、チャット機能を含むワンストップのカスタマーサービスなどさまざまなツールを取りそろえる。

■売れ筋カテゴリー
上位から順に、ファッション、デジタル家電、ホーム&ライフスタイル、マタニティ&ベビー、コスメ、アウトドアだ。

Lazada の国別の売れ筋カテゴリー(Lazada提供)

■中国企業の参入状況
Lazadaの出店企業では中国企業が最多となっている。 スマートフォン、日用雑貨、健康・美容、マタニティ&ベビー、ファッション、家電が人気の6大品目で、値引きキャンペーンでは毎回のように最高記録を更新し続けている。中でも「シャオミ(Xiaomi)」は、東南アジア6カ国で最も人気のスマートフォン・IoT家電ブランドだ。
(翻訳・愛玉)

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