VRヘッドセット「Pimax」が約20億円を調達 世界トップレベルの特許を16件も取得

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VRデバイスを開発する中国スタートアップ「小派科技(Pimax)」が、シリーズBで2000万ドル(約20億円)を調達したことがわかった。出資者は政府の産業支援ファンド、「創東方(CDF-Capital)」、「泰豪集団(Tellhow Group)」、「常春藤資本(Ivy Capital)」、「寛東方集団(kuandongfang)」などだ。小派科技は10月18日午後に発表会を行い、資金調達の成功と、最新のVRヘッドマウントディスプレイを発表した。

2015年に創業された小派科技は、パソコンに接続して使うVRヘッドマウントディスプレイを専門に開発している。現在世界トップレベルの特許16件を取得し、10件が申請中である。

今回発表されたのは、もっともハイスペックの「Vision 8KX」である。両目それぞれに解像度3840×2160のディスプレイを配置し、視野角は200°である。高解像度と視野角の広さで、人間の目に近い感覚を実現し、さらに映像の遅延も改善され、没入度が高まった。

ゴールドマン・サックスの予測によると、全世界のVR市場は2025年に800億ドル(約8兆5000億円)に成長し、うちハードが450億ドル(約4兆8000億円)、ソフトが350億ドル(約3兆7000億円)となる。中国では、VRハード市場の60%をヘッドマウントディスプレイが占め、小派科技はそのトップランナーの一つである。同社の製品は72の国と地域で販売されている。

VRヘッドマウントディスプレイには、パソコンと接続して使うものと、計算機能を持つ一体型がある。同社の任攀CEOによると、小派科技は利用者の多さから、主にパソコンに接続するVRヘッドマウントディスプレイを開発している。一体型はまだ単独で利用できるコンテンツが少ないため、コンテンツの充実を待ってから開発する可能性があるとしている。

ハイスペックのデバイスのほか、小派科技は5000元以下(約8万円)の製品として、「Artisan」、「5K Plus」も開発しており、自社のECで販売している。営業収益は3年連続50%以上の成長を記録。個人向け販売のほか、法人向けにデザイナー用VR、VR遊園地、VR観光体験、VR安全教育などの技術を提供し、フォルクスワーゲン、BMWなどの自動車メーカーとVRショールームを共同開発している。

発表会の様子

会社の未来について、任攀CEOは、VRヘッドマウントディスプレイはあくまでディスプレイに過ぎず、通信速度やコンテンツの成長が不可欠だと指摘する。また、ほかのハード・ソフトとの互換性を考える必要もある。そのため、5Gがどのくらい普及できるか、コンテンツが十分に増えるかが、VR産業の将来を左右する。小派科技は自社の技術を更新し続けると同時に、関連産業の成長を取り込み、VRのエコシステムを作り上げ、ビジネスモデルを再定義したいとしている。(翻訳:小六)

 

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