自宅で手軽にがん検査 中国、高精度の泌尿器検査キットが実用化

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泌尿器がん検査キットを研究開発する「宏元生物(Prophet Genomics)」が、痛みを伴わず自宅でサンプリングができ、かつ精度も高い泌尿器がん検査キット「UroCAD」を開発した。尿路上皮がん(腎盂、尿管、膀胱、尿道など尿路に発生するがん)では、がんでない人を陰性と正しく判断する「特異度」が82%、がんのある人を陽性と正しく判断する「感度」は96%であり、悪性度の高いがんでも感度93%という。この在宅尿検査キットは「中国国家薬品監督管理局(NMPA)」に登録され、既に国内の病院で使用されている。同社の研究は最近、「アメリカがん学会(AACR)」の会誌 「Clinical Cancer Research」で特集記事が組まれている。

「UroCAD」を取り上げたアメリカがん学会の特集記事

自宅にいながらがん検査

泌尿器がんが疑われる場合、通常、膀胱鏡検査や尿細胞診が行われる。膀胱鏡検査は尿道に内視鏡を入れるので痛みを伴うし、尿細胞診も在宅医療には適さない。しかも、悪性度の高いがんを切除した場合、3カ月ごとに膀胱鏡検査を受けなければならない。

宏元生物は次世代シーケンシングとAIアルゴリズムにより検査過程を自動化し、患者が自宅で尿検査のためのサンプリングをできるようにした。患者は尿を10ml採取し、検査室まで72時間以内に郵送すれば、検査をしてもらえる。

AIのおかげで染色体異常の検出精度は飛躍的に向上した。UroCADは20倍に希釈された尿でも異常を検出でき、食事や運動の影響を受けることなくどの時間帯の尿でも検査可能なのだ。

中国泌尿器科学会の専門医らがUroCADの臨床検査を行い、製品の性能を承認した

UroCADは染色体異常検査と同時に細菌検査も行い、細菌の種類まで特定する。がんのスクリーニングをしながら感染症もチェックできるので、尿路疾患の診療効率が上がり、患者の早期回復にもつながる。

応用分野の拡大

宏元生物のUroCADは既に上海や武漢、成都などの基幹病院を中心に11省で使われている。米国でのマーケティングも開始し、現在FDA(アメリカ食品医薬品局)からの承認待ちだ。

UroCADは泌尿器がんの診断補助だけでなく、感染症の病原性細菌の同定にも適している。泌尿器科の基礎検査となり、数千万人の患者に恩恵をもたらすことが期待される。

同社は泌尿器がん検査キットのほかにも20種類以上の検査キットを開発中だ。将来的には、自宅で採取した唾液、血液、膣分泌物などから婦人科がんや高齢男性の排尿障害などの検査キットもできると期待されている。

CEOの銭自亮博士は、スタンフォード大学で医学を学び、英アストラゼネカ、米ジョンソン・エンド・ジョンソンなどの世界大手製薬会社で新薬開発に携わり、医療診断薬開発の「ロシュ・ダイアグノスティックス」で診断技術の開発に携わってきた。医療畑を歩んできた9年間、いくつもの研究チームを率い、新しい治療法や診断法を発明または発見してきた。

CMO(最高マーケティング責任者)の徐文勝博士は、第二軍医大学で博士号を取得後、上海長征医院感染症科で主任を務め、感染症分野で20年以上の経験を有する。第9回上海医学会ウイルス学分会の副主任委員。

COOの沈力堅博士は「北京市新創工程亦麒麟」のリーダー人材(革新的エンジニアのトップリーダー)に選ばれ、ゲノミクス研究開発の米「GENEWIZ」、ゲノム解析大手「華大基因(BGI)」、「CNGB(中国国家遺伝子バンク)」、「北京博奥晶典(CapitalBio)」などの生物医学研究機関やビッグデータ診療機関に勤務してきた。

宏元生物は現在、シリーズAで資金を調達中である。中国ではUroCADは既に承認、技術検証、専門家の承認(臨床試験)を受けており、市場開発も順調だという。中国事業で必要なのは、第Ⅲ類医療機器の登録検査と登録証明書のための資金だ。海外事業では、北米での臨床試験、データ収集、製品検証、FDA申請の資金を必要としている。(翻訳:永野倫子)


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