エンジニア35歳定年説〜アリババCEOが勤続社員へメッセージ 「うちには無能の人間は存在しない」

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エンジニア35歳定年説〜アリババCEOが勤続社員へメッセージ 「うちには無能の人間は存在しない」

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中国のEコマース最大手アリババ・グループ(阿里巴巴集団)のダニエル・チャン(張勇)CEOが、勤続5年の社員をねぎらうセレモニーで自社のスタッフらと交流し、事業や組織、文化などについて語った。「35歳で定年」とも形容されるIT業界の技術者についても言及している。36Krが独自に取材して以下のようにまとめた。

ビジネスについて

1)競争とは誰かを打ち負かすプロセスではなく、自らが価値を創出するプロセスを改善することだ。

2)市場には無数の企業が誕生するが、これらすべての企業が目指す方向は一つ、「デジタル化」だ。デジタル化によって世界を変え、ビジネスを変えるのだ。

3)デジタル化は当代の既定路線だ。デジタル化によって社会を変えること、ビジネスを変えることは、この大きな歴史的趨勢からみれば、それらはまだ始まったばかりと言える。

組織の成長について

4)一つの組織がますます大きくなり、従業員がますます増えてきたとき、如何にして敏捷性や嗅覚、反射神経を維持するのか。我々がアジリティに富む組織を構築するにあたって、これらの要素は必要な血液であり、共通認識である。最も重要なのはアクションを起こすことだ。

5)口が上手いだけの人間は誰もが敬遠する。我々はまずシンプルに、具体に行動から変えていく。そうすれば我々の組織もカルチャーもよりシンプルに、ピュアになっていく。

6)我々があともう一歩前に進めたら、もう少し能動的になれば、もう少し相手を思いやれば、あるいは自身のKPIばかり考えずにパートナーのことも配慮し、互いの共通点を最大化できれば、協業はより容易に、組織はより身軽になる。

7)あらゆる問題を考えるとき、自身の提案するソリューション、モデルや価値が顧客にとって役立つものなのかを考えるべきだ。顧客やユーザーにとって価値ある製品とサービスだけが最終的に真の問題解決となる。

8)聡明な人間でも急に問題解決の魔法を思いつくわけではない。誰もが水面下で泳ぎ方を学び、自身が泳いでいる池の深さや流れを把握しようと努めている。

9)アリババには無能の人間は存在しない。ただ、適所に配置されていない人間はいるだろう。すべての人は適切な場所に置かれれば大きな力を発揮するものだ。しかし、我々の世界にはミスマッチが生じることは否定できない。ミスマッチが起これば多くのエネルギーが無駄に消費される。我々が共に立ち向かうべき問題だ。

10)アリババのように巨大な組織であっても、やはり多様性に富む組織、多様性に富む個人を作り出していくことが必要だ。そうして初めて我々は健全に前進できる。

11)我々の組織は35歳過ぎの従業員をどう思っているか?わたしの回答は、35歳を過ぎてから一念発起してプログラミングを学んだり、技術者を目指したりする人を120%応援し、評価し、敬服し、彼らのためによい環境を整えたいということだ。わたしが最も憂慮するのは、35歳を過ぎてもプログラマーをしている人のことではなく、35歳を過ぎてもコードも書けないような人のことだ。一定以上の職位に就く技術系マネージャーには、一定以上の現場経験を求めたい。

キャリア、生活、思考について

12)我々が何かを捧げ、何かを得るその背後には、家族や親せき、友人らの支えがある。彼らの支えが合ってこそ、我々は仕事に全力投球できるのだ。我々は斜に構えることなく、真剣に選択し、その選択に後悔しないことだ。もし後悔するようなことがあれば、軌道修正すればいい。ただそれだけのことだ。

13)時間管理は誰にとっても大きな課題だ。わたしにとって時間は自ら支配するもの。わたしは自分がやりたい会議しかしない。わたしが最も重視するのは、第一に自分の時間をしっかり管理すること、第二に思考する時間をとること。

思考といっても堅苦しいものではない。わたしも多くの人と同じ、ストリートダンスを鑑賞したり、世の中で話題になっていることに関心を持ったり、ショートムービーを見たりする。皆がやっていることはわたしもやってみる。これは生活であり、仕事の一部でもある。志ある人なら、消費者の体感、オーディエンスの体感、製品利用者の体感というものを真に味わえるはずだ。こうした体感が仕事でのインスピレーションになる。

15)仕事中に落ち込むことがあるかといったら、確かにある。しかしわたしはそれを軽々しく表には出さない。表に出したら皆も落ち込むからだ。

(翻訳・愛玉)

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