東芝家電の親会社となった中国Midea 東芝ブランド復活に成功し、コロナ禍すら味方に

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東芝家電の親会社となった中国Midea 東芝ブランド復活に成功し、コロナ禍すら味方に

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新型コロナウイルスの感染爆発によって今年は多くの企業が深刻な打撃を被った。しかし中国家電大手の美的集団(Midea Group、以下Midea)は層の厚い製品ラインナップと海外市場に助けられ、大きな損失は免れたという。

今年8月末に発表された財務諸表から見ると、Mideaは今年上半期の売上高が前年同期比9.5%減の1397億元(約2兆1900億円)、うち海外事業による売上高が全体の44.46%に当たる618億3400万元(約9700億円)で、こちらは前年同期比0.44%減にとどまった。

Mideaは主力のエアコンに加え、生活家電(キッチン家電、冷蔵庫、洗濯機、各種小型家電)、ロボットおよびオートメーション設備の三大カテゴリーを展開するが、新型コロナ禍において、大型製品は出張設置サービスを取りやめざるを得なかった反面、小型家電は「巣ごもり需要」を受けて急成長、業績の低下を緩和した。

Mideaの製品は200の国・地域で販売され、中国を含む米国、ドイツ、日本、イタリアなど11の国に28のR&Dセンターを設けている。Midia国際事業(MIB)製品管理部門のディレクター楊連運氏が36Krの取材に応じ、海外向け製品の開発や市場戦略、また東芝を傘下に収めてからの実績や、新型コロナ禍におけるグローバル販売への影響について語った。

――Mideaの海外ブランドについて教えてください。

「三つのブランドを展開しており、東芝がハイエンド、Mideaがミドルレンジ、Comfeeがローエンドおよびオンライン販売で住み分けている。全カテゴリーを扱うブランドの他に特定の分野に特化したブランドもあり、東芝はライセンスブランドとなっている。東芝ブランドは主に中東やASEAN市場を攻めている。こうした地域において東芝ブランドには歴史や付加価値があるからだ」

「この数年、Mideaブランドの全製品カテゴリーでOBM(自社ブランド製造)の成長がOEM(他社ブランド製造)を上回っている」

――東芝ライフスタイルを傘下に収めて以降、どのように分業や協業を進めていますか。

「東芝ライフスタイルが子会社となった当初はマトリックス経営を採用し、最初の2年ほどは東芝チームが自ら海外販売を手掛けていた。しかし成績が振るわず、運任せの要素が大きかったため、2017~2018年にかけて組織構造や運営モデルを調整し、東芝には日本本国の経営に専念してもらい、その他の国については、『東芝』の名を冠した香港、ベトナム、タイなどの現地法人も含め、Mideaの国際事業チームが担当することになった。とはいえ、こうした国でも製品認証や安全基準のコントロールは引き続き東芝が担っている。このようにして東芝ブランドとMideaの分業体制が決まってきた」

――東芝ライフスタイルが子会社となって事業に大きな進展はありましたか。

「東芝買収前の2016年3月、東芝ブランドの海外各国での売れ行きはいずれも停滞しており、赤字が常態化していた。しかしMideaの傘下に入って我々はただちに海外需要を見直し、Midea製造の東芝製品を打ち出した」

「数年後に努力が実り、Mideaが開発・製造を手がけた東芝ブランドの製品は70以上の国で販売されるようになった。各国市場に東芝ブランドを再進出させ、過去に東芝を取り扱っていた代理店にも改めてアプローチした。ヨルダンのある代理店などは1930年代に東芝の代理販売を開始したが、近年では東芝関連の業務は終了していた。しかし現在ではMidea発の一連の東芝製品に『売れる』という確信を持ってくれている」

「ベトナム市場では2018年になって東芝ブランドのドラム式洗濯機を発売したが、2年をかけて販路開拓を行った結果、今年は同国で市場シェア首位を獲得した。東芝はMideaの傘下に入る以前、ドラム式洗濯機自体を生産していなかった」

――北米向けに展開するキッチン家電シリーズ「Big Swing」はMideaの海外向けOBM製品として最も成功しており、直接・間接販売を含めた販売額が2億ドル(約210億円)に達しました。Mideaにおいて同シリーズはどのような位置付けでしょうか。

「米国市場では長年OEM事業を主体としており、販売する商品は低~中価格帯の高コストパフォーマンス商品に絞ってきた。Big Swingのようにメインストリームを狙える商品はこれまで販売してこなかった。Big Swingの戦略は、商品のセールスポイントや品質はGE(ゼネラル・エレクトリック)やサムスンをベンチマークとし、価格はWhirlpool(ワールプール)をベンチマークとすることだ。つまり、トップメーカー水準の機能を持つ製品をセカンドクラスの価格で販売することで、消費者に最高のコストパフォーマンスという選択肢を与える」

――今年のコロナ禍が海外事業に及ぼした影響は。

「中国で感染爆発が起こった2~3月、最大の懸念事項は中国国内のサプライチェーンだった。工場は稼働停止状態、一方の海外では新型コロナの感染状況は深刻化しておらず、販売も比較的良好だった。4月になると感染爆発は海外へ波及した。そこで我々は国内販売における経験を参考に、海外販売でもライブコマースを活用した。これまで店舗販売を主体としていたが、全面的にオンライン販売に移行したのだ」

「今年9月末時点で、売上高が前年同期比で減少したのは海外28拠点のうち3拠点のみだ。商品カテゴリーでみると、セントラル空調とルームエアコンで売上高が減少した。これは製品の取り付けを行う訪問サービスがコロナ禍でストップしたからだ」

「米国やマレーシアなどではコロナ禍でかえって販売数が伸びた。米国の消費者は予算にシビアで、暑い夏でも予算が足りなければ扇風機を買う。しかし今年は4~5月に政府がコロナ給付金を支給したおかげで消費者がエアコン購入に踏み切り、Mideaの窓用エアコンが大幅に販売数を伸ばす結果となった」

――Mideaとしてもコロナ禍で小型家電の消費需要が刺激されたとの認識でしょうか。

「そうだ。調理家電は急成長で、欠品も相次いだ。アマゾンで年一度開催されるビッグセール『プライムデー』でも、今年はオーブンや圧力鍋、ノンオイルフライヤーが3日間の売り上げ目標をわずか1日で達成した」
(翻訳・愛玉)

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