注目の量子コンピューティング 代表格となる世界の大手企業とスタートアップまとめ

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注目の量子コンピューティング 代表格となる世界の大手企業とスタートアップまとめ

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2020年は量子コンピューティングでさまざまな進展があった。IT大手は「量子覇権」争いを繰り広げている。今年10月に習近平総書記の発言でも取り上げられ、一層注目されるようになった。世界の量子コンピューティング産業を理解する一助となるよう、大手企業とスタートアップをご紹介する。

一、大企業

1、Google

量子プロセッサーは現在量子コンピューティング技術の主な研究対象であり、ボトルネックだ。主な研究の方向性としては、超伝導、イオントラップ、光量子、シリコン量子ドット、中性原子、トポロジー、分子スピンなどがある。量子プロセッサーの性能は通常、量子ビット(キュービット、Q)や量子体積(Quantum Volume、QV)で表す。

Googleが開発するのは超伝導プロセッサーだ。2019年10月、Googleの量子コンピューターは当時世界最高峰のスーパーコンピューターでも1万年かかる計算を3分で完了し、「量子覇権」を宣言した。

量子ソフトウェアでは、オープンソースフレームワーク「Cirq」を開発。2020年には量子機械学習のためのライブラリ「TensorFlow Quantum」を発表した。

今年8月、量子コンピューターでこれまでで最大規模の化学反応シミュレーションに成功。この研究成果はこれまでの理論化学を覆すもので、医学業界や工業などにプラスの変化をもたらすと予想される。

2、IBM

IBMも超伝導量子プロセッサーを開発。今年8月、27量子ビット、量子ボリューム64のプロセッサー「Falcon」および65量子ビット、量子ボリューム32の「Hummingbird」を発表。今年9月に発表した量子技術のロードマップでは、2021年に127量子ビット、2022年に433量子ビット、2023年には1121量子ビットを実現する計画だ。

3、Intel

Intelは超伝導とシリコン量子ドットのプロセッサーを開発。2018年初めに49量子ビットの超伝導量子プロセッサーのテストチップ、2019年にはシリコン製量子プロセッサーの極低温ウェハー・プローバーを開発した。

4、Microsoft

Microsoftはトポロジカル量子ビットを量子コンピュータのベースにする。超伝導、イオントラップと光量子コンピューターと比べ近年は遅れていたトポロジカル量子コンピューターだが、Microsoftは今年9月、コペンハーゲン大学と共同で新素材を開発、数十年ぶりの大きな成果を上げた。

5、Amazon

Amazonは2019年末、量子コンピューティングのクラウドサービスに参入。今年8月に量子コンピューティングのクラウドプラットフォーム「Amazon Braket」をリリースした。ユーザーはBraketを経由してD-Wave、IonQ、Rigettiなどの量子ハードウエアにアクセスできる。

6、Honeywell

Honeywellは量子プロセッサーのイオントラップ技術を開発。今年10月、イオントラップ技術に基づく量子ボリューム128の量子コンピュータを発表した。

二、スタートアップ

1、Rigetti

米Rigettiは2013年創業で、超伝導量子コンピューティングを開発。2019年12月、32量子ビットの量子コンピュータを発表した。「Quantum Cloud Services(QCS)」は同社初の量子クラウドコンピューティングのプラットフォームだ。

今年8月、RigettiはシリーズCで7900万ドル(約83億円)を調達。これまで9回にわたりBessemer Venture Partners 、Franklin Templeton など著名な国際投資機関を含む38の投資機関から2億6900万ドル(約280億円)を調達した。

2、IonQ

米IonQは2016年創業。イオントラップ技術に基づく量子コンピューティングを開発する。今年10月、世界最先端の量子ボリューム400万の量子コンピューターを発表した。

これまでに総額7700万ドル(約80億円)を調達。うち5500万ドル(約58億円)は2019年10月、リード・インベスターのSamsung Catalyst FundとMubadala Capital、コ・インベスターのGoogle Venture、Amazonなどが出資した。

3、QC Ware

米QC Wareは2014年創業で量子コンピューティングのクラウドプラットフォームを開発し、GoogleやIBMと提携する。

2018年10月、シリーズAで650万ドル(約6億8000万円)を調達。シティグループやゴールドマンサックスがリード・インベスターを務めた。これまでに総額1470万ドル(約15億4000万円)を調達。

4、Cambridge Quantum Computing(CQC)

英CQCは2014年創業で、量子ソフトウェアを開発。

今年4月、世界で初めて量子コンピュータ上で自然言語処理テストに成功。5月、英政府から資金を獲得した財団の資金提供を受け、3カ月後にCQC初となる量子コンピューターの汎用OSが誕生した。8月、IBMと共同で世界初の量子コンピューティングのアプリケーションを開発している。

これまでにHoneywell Venture Capitalなどから5000万ドル(約52億3000万円)を調達。

5、D-Wave

D-Waveは1999年、カナダで創業。

量子アニーリングマシンは最適化問題の解決を得意とする。D-waveの量子アニーリングマシンは製造業、商業、通信業、スマート交通やIoV(Internet of Vehicles)などへの応用に対してソリューションを提供。リクルートコミュニケーションズや早稲田大学とは広告配信の最適化などで提携している。2019年、5000量子ビットの量子アニーリングマシンを発表。今年10月には、世界初の商用量子アニーリングマシンをリリースした。

これまでに2億1000万ドル(約220億円)を調達している。

6、Silicon Quantum Computing (SQC)

SQCはオーストラリアの量子コンピューティング企業で、2017年創業。

SQCはシリコンベースの量子プロセッサーを開発。今年10月、シリコン原子の2量子ビットで99.99%の超高フィデリティを実現。Googleの「Sycamore」が保持する2量子ビットのフィデリティ最大99.64%の最高記録を破った。

今年10月、Googleの前量子コンピューティング責任者John Martinis氏がSQCに加わった。

SQCはこれまでに6600万ドル(約69億円)を調達している。

中国でもアリババ、百度、テンセント、ファーウェイなどの大手IT企業が近年になって中国科学院、清華大学、中国科学技術大学などの研究機関と提携し、量子コンピューティングの開発を進めている。

注目を浴びる量子計算技術 中国のテック企業の現在地は

(翻訳・二胡)

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