今日头条が有料コンテンツサービスへ「好好学習」は日々向上となるか?
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国内外問わず、エンタメ界、マーケティング業界から高い支持を受けている動画配信アプリ抖音(tiktok)。その制作会社である头条はこれまで様々な話題で世間を賑わせてきた。最近では、オンライン学習サイト「一起作业」に200億円の投資をしたニュースが記憶に新しい。その头条が、今度は有料コンテンツサービスへ乗り出したという。教育とエンタメ業界をめぐる头条が有料コンテンツにかける想いとは。
36Krが「好好学習」アプリの存在に気づいたのは2018年の春頃だ。制作元は北京臻鼎科技有限公司(Beijing ZDT)。企業信用調査データによると同社のエグゼクティブディレクター王冲が北京梦码科技のCEOであること、また、今日头条の親会社BytedanceのCEOである张一鸣がBeijing ZDTの株式を間接保有していることが判明した。
「好好学習」のコンテンツ内に《头条学院》の学習コースが並んでいるのを見た時は、まるで関連会社であるかのような印象をうけたが、実際、「好好学習」の親会社と「今日头条」の親会社には関係があったのだ。


ちなみに《头条学院》とは、メディア運営について学ぶことができるコンテンツのようだが、現在は、《コンテンツクリエイターで稼ぐ方法》と名称を変えて配信している。

「好好学习」にはどのような特徴があるのか?「好好学習」と同じくナレッジコンテンツを配信している「得到」と「喜马拉雅」と比較してみると「得到」では経済・商業関連のコンテンツが多く見られるが、「好好学習」のコンテンツは多岐にわたる。より生活に即したものが多く、価格はそれほど高くない。潜在顧客は幅広いものの、若年層を意識しているようだ。
「喜马拉雅」も、ここまで幅広いジャンルは扱っておらず、UGC(ユーザー生成コンテンツ)やライブ配信も行っていないようだが、アプリストアの評価は4.1である。
「好好学習」の主要コンテンツは書籍、ビジネス、文化、生活の4つのカテゴリからなり、音声コンテンツも有している。ターゲットユーザーは会社員、起業家の他、主婦・ママ、大学生と幅広い。
製品戦略の観点から言えば、ブレイクスルーの手段としてオリジナリティの高いコンテンツを試験的に有償で提供する価値はある。「好好学習」のコンテンツ内容であれば有料でも充分読み応えがあるだろう。
各カテゴリの購入状況を見ると、ビジネス関連のコンテンツが圧倒的に人気である。「好好学習」は既に事業の方向性を見つけたようだ。
実際にアプリを使用して気がついたのだが、レイアウトが簡潔で使いやすいのはもちろん、ナレッジコンテンツにありがちな堅苦しい感じは一切ない。気軽に知識を探求したい人にはぴったりだ。
有料コンテンツだけでなく、無料で視聴出来るオーディオプログラムも日々アップされており、グループ学習に使える機能も搭載している。DAU(アクティブユーザー数)の増加と顧客の囲い込みに期待がもてそうだ。

今日头条はなぜ有料コンテンツサービスへ乗り出したのか
今日头条の親会社Bytedanceは、今日头条アプリ以外にも、抖音(Tik Tok)、火山小视频(Hypstar)、西瓜视频(Xigua)、内涵段子(Neihan)、Musical、懂车帝、悟空问答などのアプリを制作している。近日報道されたニュースによると、多くの头条のコンテンツクリエイターが有料でコラムを書かないかとオファーを受けていたとのことだ。
Bytedanceは、有料コンテンツ配信へと段階的に準備を進めていたわけである。なぜか?
第一に、有料コンテンツは5~600億の市場規模を持つ。得到、知乎、喜马拉雅といった既存の企業全てをもってしても追いつかないほど、巨大なマーケットである。今日头条の膨大なトラフィック、これまで培ってきた機械学習のノウハウを鑑みれば、勝算があるのは明らかだ。
加えて、头条にとって有料コンテンツに挑戦するのは今回が初めてではない。実現までこぎつけることは出来なかったが、2017年12月のニュースで、今日头条がアプリ内にオーディオチャンネル「新知」をローンチすると報じられた。結局、マーケティング分析によって头条のブランドと顧客属性に有料コンテンツはそぐわないと判断したため、それなら別でもうひとつアプリを作ってしまおうと制作されたのが今回リリースされた「好好学习」である。
第二に、製品マトリックスに基づき「好好学習」は「悟空问答」を補うかたちで開発されている。「悟空问答」はコミュニティアプリではあるけれども、ユーザーはある程度一致する。そうなると、両方のアプリで活躍するインフルエンサーが出てくる可能性も期待出来るだろう。
第三に、今日头条はトラフィックマネジメントに優れており、複数のアプリを駆使して効果的に顧客の要望に応えることが出来る。例えば、不特定多数の意見が聞きたい、相談したいことがあるという人は头条のQ&Aプラットフォーム「悟空问答」を、ビデオの視聴なら「西瓜视频」を、といった具合に、きめ細やかなサービスを提供してきた結果、充分なトラフィック価値を発掘した。これがトラフィック獲得とマネタイズのロジックである。
最後に、防衛戦略の角度から見れば头条のユーザー数増加と維持率は、BAT[Baidu, Alibaba, Tencent]のようなインターネットトラフィックを重要視する企業にとって、大きな脅威になりうる。しかし、头条も可能な限り反撃しなくてはならない。シェアを拡大させ続けるには、勝負を仕掛ける必要があるのだ。
「好好学習」のリリースは、主要な有料コンテンツサイトに比べて少し遅かったが、市場分散型の業界であるため、艾瑞(iResearch)によるとTOP3のサイトが産業規模の35%、TOP4~10までが25%、そのほかの参入企業が40%のシェアを分け合っている状況だ。シェアの大部分を占有する企業がいないのなら「好好学習」にはまだ大きなチャンスが残されている。
主導権を勝ち取りにいくか、守りに徹するか。「好好学習」はどう立ち回るのか。
36Krは今後もフォローアップしていく。