シャオミのスマホは「ロースペック、ODM、技術不足」? 雷軍CEO、年次総会でイメージを払拭

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中国スマートフォン&IoT家電大手のシャオミ(小米科技)CEOの雷軍氏が18日、「亜布力中国企業家フォーラム第20回年次総会」で講演を行った。同氏は、シャオミがこの10年間で急速に成長し、前四半期にスマートフォンで世界シェアトップ3に返り咲いたが、シャオミについて誤解している人もいると述べた。今回、雷CEOが言及した誤解とは以下の3点だ。

誤解1:シャオミにはハイスペックモデルはない。

雷CEOは10年前、ソフトウェア業界から携帯電話業界に転身した。目的は製造業のモデルチェンジと中国製品の品質向上だ。事業効率とコストパフォーマンスを改善し、中国製品は品質もデザインも劣っていて体裁が悪いといったイメージを払拭しようとした。

しかし、10年経った今でも、シャオミ製品と言えばロースペックかミドルスペックと思い込んでいる人が多い。雷CEOは、シャオミがハイエンド製品として認められるには、高価格帯商品も販売しなければならないと考えた。今年、シャオミで最も売れたスマートフォンが6999元(約11万円)のハイスペックモデル「Mi10 Ultra(小米10至尊紀念版)」だったことや、2万元(約31万円)の価格をつける98インチの超大画面テレビを1カ月で1000台以上も売り上げたことは、シャオミがすでにハイエンド市場での立ち位置を得ていることを証明している。

誤解2:シャオミの製品はすべてODMだ。

雷CEOは、ODM(設計・製造の外部委託)も高度な生産モデルであると述べる。ただし、シャオミは3年前からスマート化製造設備メーカー110社に投資するなど製造能力を強化し、「ダークファクトリー(自動化が進み、人間がほとんど介在しない工場。人間がいないので照明をつける必要がないためこう呼ばれる)」も完成させた。同工場の設備はチップマウンター以外すべて、シャオミかシャオミが投資した会社が自社開発したものだ。

雷CEOによると、この中国最先端スマートフォン工場の生産効率は他のスマートファクトリーより25%高いという。次に建設予定の工場は、100%無人で生産効率100%向上を見込んでいる。

雷CEOは、11月初旬に開催された同社主催の開発者大会「MIDC2020」でも「来年はエンジニアを全体で5000人新規採用し、エンジニアチームを拡大、研究開発への投資も増やす」と述べた。

誤解3:シャオミには技術力がない。

シャオミは世界で最も競争の激しい分野に身を置いている。雷CEOからすれば、技術なくしてアップル、サムスン、ファーウェイなどの強敵に囲まれながら市場で足場を固め、成長するなどあり得ない。

2011年のシャオミの売上高はわずか5億元(約80億円)だったが、2019年には2058億元(約3兆2000億円)へと急成長し、米経済誌フォーチュンの世界企業番付「フォーチュングローバル500」にもランクインした。例えば、今年初めにリリースしたスマートフォン「Xiaomi Mi 10」シリーズの内蔵カメラは、カメラ性能評価サイト「DxOMark」で世界ランキング1位を125日間キープした。これは、シャオミが1年の1/3の期間、世界一だったことを意味する。

雷CEOは講演を「これからの10年間で、シャオミが品質でもデザインでも中国を代表するモデルとなり、消費者の間でも中国製品に対する評判やイメージが向上することを望む」と締めくくった。

(翻訳:永野倫子)

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