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今年に入ってから、フレキシブルディスプレイの開発を手掛ける「柔宇科技(Royole、ロヨル)」の上場のうわさが絶えない。
年初には、柔宇は密かに米国でのIPOを申請済みで、約10億ドル(約1050億円)を調達する予定だと海外メディアが報道した。その後、米国での上場計画を棚上げし、中国でのIPOを検討しているという情報が流れた。
ブルームバーグは情報筋の話として、柔宇は今年12月に中国のハイテクベンチャー向け株式市場「科創板(スターマーケット)」へ上場を申請し、最高で120億元(約1900億円)を調達する予定で、上場時の時価総額は525億元(約8400億円)以上になると報道している。
上場のうわさが出て以来、柔宇の商業化の能力を疑問視する声が高まっている。
柔宇科技は2012年設立で、フルフレキシブルディスプレイとフルフレキシブルセンサーおよび折り畳みスマホ、その他スマート機器を生産する。これまでに「IDG資本(IDG Capital)」、「保利資本(Poly Capital)」、深圳市政府出資の「深圳市創新投資集団(Shenzhen Capital Group)」など数多くの有名機関が出資したほか、政府からの補助も得ている。
しかし、多額の出資を受けながらも、柔宇はなおコンセプトを売る段階にとどまり、販売にまで漕ぎつけた製品は少ない。
2018年10月、柔宇はファーウェイとサムスンに先んじて世界初のフレキシブルディスプレイの折り畳みスマホ「FlexPai」を発売したが、ブランド力不足や生産力不足により同製品は販売不振に終わった。
2019年、ファーウェイやサムスンなど大手の参入に伴い、折り畳みスマホは広く注目されるようになった。
しかし、高額なために消費者市場での普及の足取りは鈍い。第三者機関による統計報告によると、2019年折り畳みスマホ向けフレキシブルディスプレイの年間出荷量は約50万枚にとどまった。
技術的な問題だけでなく、業界が萌芽期にあることやスマホ大手の参入は柔宇が今後直面する難題だ。
このため、同社は消費者向け折り畳みスマホ以外のフレキシブルディスプレイの用途を模索中だ。企業向けにフレキシブルディスプレイの技術をメディア、交通、スポーツ、ファッション、教育、銀行や政府のシステムなどの分野へ応用することを試みている。
ただ、これまでのところ消費者向けと企業向けの業績はともに冴えない。
創業者の劉自鴻氏はメディアに対し、基盤技術を開発する企業が1、2年で利益を出すのは現実的ではなく、一旦大規模な実用化が進めば収益力も飛躍的に伸びるとの見方を示し、収益化を実現するまでは市場に認められる製品を製造することが最重要課題だと語った。また、劉氏は現在はパートナーと共にエコシステムを構築し市場での認知度向上を図る段階だと認めた。(翻訳・二胡)
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