コロナ後のオンライン旅行会社、「真」のデジタル化が課題  アリババ傘下「Fliggy」総裁に聞く

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観光業はコロナ禍から回復してきたようだ。中国オンライン旅行最大手「Trip.com(携程集団)」の2020年第3四半期(7~9月)財務報告書によると、株主に帰属する純利益は2億3400万ドル(約240億円)で、コロナ感染拡大以来、四半期ベースで初の黒字となった。

アリババ傘下の「Fliggy(飛猪)」も伸びている。国慶節(10月初週の大型連休)の国内旅行のほか、今年の「双11」(11月 11日、中国最大のECセールの日)も好調で、有名ホテルや航空会社の取引高は1億元(約16億円)を超えた。

試練を克服したこの一年について、Fliggy総裁に着任して半年の荘卓然氏にインタビューを行った。以下はインタビューの内容を編集したものである。

100億元キャンペーンで旅行業界の回復をけん引

ーー今年のFliggyのシェアの伸びはどうでしょうか。

「全体的に伸びている。販売チケット数は完全にプラス成長になった。今年の客単価は非常に低いが、100億元(約1600億円)クーポンや戦略が奏功し、中国国内の宿泊、ホテルは大きく伸びた」

ーー以前100億キャンペーンをアリババ傘下の団体購入サイト「聚画算(Juhuasuan)」の100億元キャンペーンと合わせて行ったのは、アクセスを増やすほかに何を考慮してのことだったのでしょうか。

「キャンペーンは価格競争のために行ったのではない。『ライバルも追随し始めたから、自分たちも再び値下げする』ということはしたくない。100億元クーポンによって顧客価値を高めたい。他社も旅行業界全体の復調を望んでいる」

ーーFliggyとアリババグループの提携はどの程度進んでいますか。

「今後は旅行に関する検索、サイトのトップページ、アリペイ加盟店の公式アカウント機能『生活号』、ミニプログラムなどでアリペイ(支付宝)の利用機会を増やす予定だ。それによって、長期旅行、出張などさまざまなタイプの旅行を便利にするのが今年の重要な課題だ」

今後はソリューションを提供する

ーーFliggyの今後の戦略は。

「デジタル化の推進だ。デジタル化とは、単純なオンライン化ではなく、情報、お金、サービスの流れのトータルソリューションを提供することだ」

「基本的な運営からブランド運営、会員運営、さらに収益管理までのシステムを絶えずアップグレードしていく。また、企業向けのコンテンツ化した運営ツールをどうアップグレードするかも重要だ」

ーーデジタル化には具体的にどのような段階を踏みますか。

「第一段階はまだオンラインで販売する能力がなく、OTA(オンライン専門旅行会社)と提携する。しかし、しばらくすると継続は難しいと分かる。手数料は上昇し、在庫は増加するうえ、自主経営の能力が衰え発言権が下がるからだ。第二段階では自社で公式サイトやアプリをつくるが、集客コストが高く経営効率も低いため、続かない。第三段階は、プラットフォームを跨いだ会員同士の相互利用を可能にし、アリババのような大きなオープンプラットフォームで販売する段階だ」

「旅行業界は、経営面でデジタル化が進んでいないことが問題だ。『他社で商品を売ってもらう』これまでの手法から『自社でユーザー、ブランドを運営する』に変わらなければならない」

ーー現在会員相互利用はどの程度進んでいますか。

「去年からこれまでに30社以上と会員の相互利用を始めた。例えば、マリオットホテルグループはアリババと会員の相互利用を始めてから3年で会員が800万人増加した。相互利用を進めるには旅行商品に魅力があることが大切で、そのうえで消費者が使いやすくすることが重要だ」

(翻訳・二胡)


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