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中国テックに特化した専門メディア「36Kr Japan」と日本経済新聞社は12月22日、中国最先端DX(デジタルトランスフォーメーション)の事例を紹介する共同イベント「中国巨大テックBATHの実力」シリーズの第二弾を開催した。
華為技術(ファーウェイ)日本法人Cloud & AI事業本部でCTOを務める秋元一泰氏と、アリババ日本法人で新規事業開発担当部長を務める小滝浩哉氏が登壇し、両社の技術力や強みを発揮して、実際の中国社会のDXを推進している事例について紹介した。
ファーウェイからは自らの工場でも変革を続けている製造業のスマート化事例、そして現在も中国社会を支える石炭産業におけるDX事例を中心に、同社が注力するAIを活用したソリューションについて紹介があった。
秋元氏の紹介によると、近年中国が強力に推進している「新インフラ戦略」の下、製造業や鉱山など伝統産業のスマート化が急ピッチで進んでいる。中でも5Gを始めとした情報インフラ技術において世界トップクラスの実力があるファーウェイは、多岐にわたるプロジェクトに参画しており、今回取り上げた現場は石炭鉱山である。
どれだけ安全に配慮しても炭鉱現場には危険がつきものであり、事故をゼロにするのは極めて難しい現場だ。特に事故原因を分析すると、①作業者が危険な動作やミスをした場合、②安全でない設備を使い続けてしまった場合、③環境要因として水やガスが噴き出すなど不測の事態が発生した場合、④安全管理対策が十分にできていなかった場合、の4つに分類することができるが、AIや5Gを活用することで事故を限りなくゼロに近づける挑戦をファーウェイは続けている。
例えば、各現場に数十台の4Kカメラを設置し、5Gの基地局と繋ぎ、鮮明な画像を用いたリアルタイムでの安全監視を行うことで安全水準を飛躍的に上げている。また、鉱山で必要となるシールド枠と呼ばれる天井崩れを防ぐ設備や掘削機など、大型建設機械のリモート操縦においても、5G環境と大量のセンサを活用することで遠隔地からスムーズな採掘活動を実現している。このようにファーウェイが手掛ける現場では、IoTと5G、AI技術を組み合わせて効果的な業務遂行を可能としている。
上記以外にも、インテリジェントカメラによるAI画像解析で、ベルトコンベア上の異物を検知したり、水脈検査時には音声や振動などを検知しAIで自動的に異常予測することで最適な採掘ルートを設定したりするなど、あらゆる場面で最先端の技術が活用されていることが報告された。
これらの取組みによって、鉱山採掘における事前のリスク予知と作業の効果的な運用、そして何よりも作業員を危険な地下現場になるべく出入りしなくてもいいような安全な環境を整えることに成功している。
山西省の鉱山ではファーウェイのソリューションを用いることで、毎日の鉱山の安全指数を計算し、今日の指数が昨日の指数よりも下回った場合は、どの現場で下回ったのか、場所と原因を素早く特定できる。このように適切な指標と定期的なモニタリングで効率的に管理することで、山西省では2025年までにほとんどすべての大型鉱山はスマート化されるという。危険な現場の作業員の少人数化や完全無人化を実現することで、鉱山の健全な発展と、死亡事故ゼロの目標を達成するつもりだという。まさに、「未来の鉱山は大きなスマート工場になる」を体現していると言える。
最後に秋元氏からファーウェイの強みとして、「高性能なチップ、エッジでもクラウドでもデータセンターでも使える一貫した製品ラインナップ、コンサルティング含めたソリューション開発力が強みである」ということが示された。
(作者・Kumon)
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