手のリハビリにロボットハンド、軟体ロボットスタートアップ「SRT」が開発

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手のリハビリにロボットハンド、軟体ロボットスタートアップ「SRT」が開発

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軟体ロボットメーカー「SRT(軟体機器人科技)」は、「創新工場(Sinovation Ventures)」と「愉悦資本(JOY CAPITAL)」を共同リード・インベスターとするシリーズBで約1億元(約16億円)を調達した。調達した資金は主に生産プロセスの最適化、新製品開発、ソリューションおよび医療向け製品などに関する業務計画の実施に充てる。

SRTは軟体ロボット技術を基に、柔らかく物をつかむソフトロボットハンドを中国で初めて開発、量産した。ソフトロボットハンドのつかむ動作は人の指に似ている。柔らかく商品を包み込んで傷つけないため、食品、生鮮食品、自動車部品、家庭用化学製品、医療、電子機器などさまざまな分野で利用されている。

中国科学技術情報研究所と上海市科学学研究所が共同で編纂した「世界最先端技術の発展動向レポート」によると、軟体ロボットは世界で注目が集まる最先端技術だという。軟体ロボットはあらゆる業界で活用できるため商業化の面でも無限の潜在力があり、技術的障壁も高い。

去年、同社は医療分野の新製品を発売した。手のリハビリロボットだ。同製品は脳卒中による半身不随の患者が手のリハビリを行うのをサポートする。SRTの高少竜CEOは、製品について「手のリハビリ器具は製造コストが高く、数十万元(数百万円)もかかる。世界の市場でもこの分野は空白だ。弊社が軟体ロボット技術で製造した手袋は5000元(約8万円)以下で、リハビリにかかるコストを大幅に引き下げた。製品は今年1月に発売し、すでに約1000セット販売した」と話す。

高CEOによると、同社は管理医療機器の医療機器製造販売業許可を取得する予定で、取得後はリハビリテーション病院による製品の大量仕入れが可能になる。製品販売は企業向けが主で、海外市場については米国のFDA認証を申請中だ。また、コロナの影響で海外代理店の営業活動が影響を受けているため、来年から直接海外に支社を設立する予定だという。

売上高は4000万元(約6億3000万円)に達し、現在手元の受注額は1億元(約16億円)を上回る。生産能力は以前はひっ迫していたが、この半年で拡充を進めている。

出資者である創新工場のパートナー楊小竜氏は「SRTはバイオミメティクスと制御技術に基づく軟体ロボットと自動化のソリューションを提供する企業だ。同分野で量産を実施している企業は世界で2社しかなく、同社の製品はさまざまな業界で利用され、形状の異なる商品や易損品の移動、固定、操作などの問題を解決し、自動化システムの作業範囲を大きく広げた」と語った。

また、生体模倣技術を活用した機器は医療分野に広く応用されることが見込まれており、SRTは今後手術、製薬などの分野で活用するエンドエフェクタや自動化システムを開発するだろう。創新工場は、SRTはいずれコア製品とソリューションを一体化した大型の総合的な企業になると見込む。

出資者の愉悦資本の創始者および執行パートナーの劉二海氏は、軟体ロボットはEC、製造業、医療・ヘルスケア業界の効率および製品、サービスの質を引き上げたと話した。(翻訳・二胡)

 

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