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2007年、米ロックフェラー財団が「インパクト投資」という理念を提唱した。これは収益のためだけでなく、社会問題の解決にもつながる投資のことを言う。今やインパクト投資は無視できない流れになり、投資額は全世界で7150億ドル(約74兆円)に達した。
インパクト投資は持続可能な社会とのつながりが強く、中国のこの分野で現在注目され始めているのがサステナブル商品を専門に販売する「一棵(ECOBUYER)」だ。同社の創業者趙路氏は「持続可能な消費」という理念を提唱している。中国ではまだ浸透していない理念だが、欧米ではすでに製品の品質のほか、サステナブルであるかどうかが消費行動を左右する重要な要素になりつつあり、特にファッション業界で持続可能という理念が急速に普及しているという。
一棵は2020年3月創業で、テンセントのSNSアプリ「WeChat」内のミニプログラムや、アリババ傘下のECモール「タオバオ(淘宝)」で商品を販売している。商品を分野別に見ると、世界各地から仕入れたコスメ、トイレタリー、ファッション、インテリア、食品である。これらの商品は、少なくとも一棵の「8の約束」のうちの1つを満たしている。8の約束とは、環境フレンドリーな素材、責任ある原材料調達と生産、リサイクルによる浪費の減少、労働者権益の保護、ジェンダー平等、その地方の手工業の支援、動物福祉の向上、コミュニティへの還元である。
サステナブルと宣伝しながらそれに反する行動を取る企業もあるため、一棵が販売する商品はすべて社内での審査を経たものとなっている。審査は第三者機関の認証の確認と、相手企業への直接調査によって行われる。海外のサステナブル商品について、中国に代理店のないものは、一棵が一次代理店としてほかの店に卸したり、自社店舗で販売したりしている。すでに代理店のあるものは、一棵が取扱店として他店と同価格で販売する。また、一棵は自社製品の開発を始めており、自社店舗で販売する予定だ。
現在の一棵のユーザーは大都市に住む18〜35才の女性がメインだ。趙氏によると、中国のサステナブル関連業界において、一棵はすでに高い知名度を誇るが、一般消費者のなかでの認知度はまだ低い。そのため、同社は宣伝を強化することを検討中だ。今はWeChat内の公式アカウントで週に6本記事を更新し、商品やブランドレビュー、ライフスタイルの紹介を行っているが、今後は動画コンテンツを増やしていく予定だ。
また、一棵は北京、上海、深圳で実店舗を出店し、ライフスタイルを体験できるショップにしていく計画だ。実店舗では商品販売のほか、サステナブルに関するイベントなども予定している。同社の商品パッケージはFSC認証(適正に管理された森林から産出した木材の認証)を取得済みで、緩衝材についても同様の認証を申請中だ。
趙氏は北京大学の光華管理学院でEMBAプログラムを担当したことがあり、また日中合弁の環境関連企業で副総経理として6年間勤務した経験を持つ。
一棵はエンジェルラウンドの資金調達を行っている最中で、商品、販売、マーケティングなど各分野の人材を募集中だ。(翻訳・小六)
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