1,800万杯 のコーヒーを売り上げた「luckin coffee(瑞幸咖啡)」、次は軽食でスターバックスを追い上げか
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中国の新興コーヒーチェーン「luckin coffee(瑞幸咖啡)」の事業テコ入れが徹底している。コーヒーだけではなく、軽食も積極的に提供していく予定だ。
2018年8月1日、luckin coffeeは軽食市場への参入を発表した。同日より全国各店の軽食類を一律半額にするとともに、年末までに店舗数を2,000店に拡大するという。この発表前よりすでに、luckin coffeeではさまざまな軽食を発売開始している。マフィン、サンドイッチ、クロワッサンなど、価格は市場の相場より低く設定した。

luckin coffeeは、国内外の食品企業大手三社と手を組んだ。イギリスの生鮮食品会社バッカボール、80年の歴史を持つアメリカの食品会社Bama、そして中国最大の食品企業COFCO(中糧集団有限公司)だ。同時に彼らはスターバックスに軽食を卸す食品サプライヤーでもあり、衛生基準をクリアしたうえで成熟したサプライチェーンを有している。
「軽食」とひと口に言っても特定の食品のみを指しているのではない。低脂肪、低カロリー、低糖分、低塩分、豊富な食物繊維や栄養素などの概念と結びつけ、身体への負担を軽減する食品の形態全体を指している。ヘルシー志向の強いハイクラスの消費者の間で、軽食は健康的なライフスタイルを体現するものとして流行しはじめている。公開資料によれば、中国における軽食の市場規模は100億元(約1,600億円)を超えるとされる一方、これをけん引するような大手企業は現れておらず、市場は前途洋洋だ。
軽食はつねにコーヒー業界の重要な構成部分とされ、豊富な商品展開が見込める要素だ。消費者にとって、コーヒーのついでに何か軽食を買うことは一種の習慣になり始めている。具体的にはサラダ、マフィンなどの軽食が若者に好まれており、スターバックスやコスタコーヒーなどではこれらが常備されることで、顧客を引きつける大きな要因になっている。
商品を多様化するのは顧客獲得のためだ。売上をあげるには、コーヒーを売るだけでは足りないため、軽食という関連商品の展開は必須だ。luckin coffeeの最新の売上状況をみると、今が軽食分野に乗り込むよい時期と考えられる。
luckin coffeeの副総裁・郭謹一(グオ・ジンイー)氏が発表した同社最新の運営データによれば、luckin coffeeはすでに全国で809店舗を展開しており、これまでに350万人あまりへ1,800万杯以上のコーヒーを提供してきた。
さらに、軽食の分野においてはこれまでと同様の大規模な資金投入を踏襲している。
7月初めに新規融資調達を発表した後、luckin coffee創始者兼CEOの銭治亜(リエン・ジーヤー)氏は、同社を設立してから現在まで10億人民元(約160億円)以上の資金を投入したこと、今回の資金調達後も引き続き、事業のテコ入れにコストを投入する予定だと発言した。このテコ入れとはコーヒーに特化したものではなく、軽食市場参入に向けた戦略も含んでいる。
また、副総裁の郭謹一氏は「スターバックスがケータリングサービスを開始する」とのニュースについて、次のように述べた。「競争に際してluckin coffeeは消費者へ多くの選択肢を提供し、利便性や商品の品質、コストパフォーマンスで差別化を図る」。
同社の軽食分野への進軍は、新商品開発という戦場においてスターバックスとさらなる一線を交えるかのようだ。luckin coffeeは間違いなく、コストパフォーマンスの面では優勢だろう。
ひとつ気がかりなのは、軽食業界の開拓余地は広大だが、サラダやパンなどの商品は生産の敷居が低く定番化しやすいかわりに、外堀を固める事は困難だ。つまり、この分野への参入で難しいのは、独自の優位性を形成することである。どのように外堀を固めるのか、これはluckin coffeeの今後の課題となるだろう。