投資の神様・バフェット氏に最も近い華人 李錄氏が語るバリュー投資

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米バークシャー・ハサウェイの副総裁で、ウォーレン・バフェット氏の親友でもあるチャーリー・マンガー氏の個人資産の管理を任されているのは、中国系米国人の李錄氏だ。李氏自身も優れた投資家であり、彼が運営する「Himalaya Partners」は、1997年発足以来の年平均収益率は20%以上となっている。そんな彼にインタビューをするチャンスがあり、バリュー投資という理念や、現在の市場についての見解を聞いた。

新興企業について

ーーバリュー投資の理念を持つ投資家のなかには、過去20年間の中国における最高のバリュー投資の対象はテンセントだと考える人がいる。しかし、テンセントの上場当初から投資した人は数百倍の収益を手にしたかもしれないが、今から投資してもそれほど高い見返りはない。それなら、どのように流通市場で高い成長性を持つ新興企業を見つければいいのでしょうか。

「すべての投資が100倍の利益を目指さなければいけないという話ではない。資本の収益を見るときは複利で考えることが必要だ。過去200年を振り返れば、複利による収益は実に75万倍に上るからだ」

ーー今はビジネスにとってどのような時代でしょうか。

「過去200年の間に、人類は3回の大きな変革を経験した。蒸気機関、電気の普及、そして情報革命だ。今はまさに革命的な変化が起きている最中だ」

ーーモバイル・インターネットはこの変革においてどのような位置づけでしょうか。

「ほんの小さな波に過ぎない。変革は40年前から始まっているが、まだまだ続くだろう」

ーーそうした「革命的な変化」の渦中にあるからこそ、急成長する企業に投資するチャンスではないでしょうか。

「投資家はまず、ほとんどのチャンスは捉えられないものだということに気づかなければならない。それぞれに得意分野があるからだ。1年で評価額が5倍上がる企業もあり、みんなが注目するが、私はそれらに全く興味がない」

バリュー投資について

ーー「わからないものには投資しない」というのがバリュー投資の中核となる理念ですが、米国にいながら中国の企業を十分わかっているとする根拠は何でしょうか。

「企業をわかっているというのはすべてを知悉するということではなく、最も重要なことを知っていればいいということだ」

ーーたとえばBYDに投資した際は何が「最も重要」だったでしょうか。

「BYDの創業者が優れたエンジニアであり、起業以降30万ドル(約3200万円)の借金しかしておらず、上場まで外部の投資家がいなかったことだ」

ーーBYDはテクノロジー企業ですが、バークシャー・ハサウェイはテクノロジー企業にあまり投資しません。BYDは例外ということですか。

「テクノロジー企業に投資しないわけではなく、知らない企業に投資しないだけだ。IBMには110億ドル(約1兆2000億円)投資したが、それは相手をよく理解していたからで、テクノロジー企業かどうかは関係ない」

ーーバリュー投資理論は100年以上前に生まれたもので、理屈は非常にシンプルです。しかしなぜ実践できる人が少ないのでしょうか。

「人間の弱点が変わらないからだ。いつでも売買できる株を持っていると、人間はカジノにいるかのようにギャンブルしたくなる。そのような欲望を持たない人こそが投資をやるべきだ」

思考法について

ーーチャーリー・マンガー氏からは何を学んだのでしょうか。

「あまりにも多くのことを学んだ。私の視野を広げてくれたし、思考の盲点を指摘してくれた。たとえば彼はよく逆転の発想をする。逆転の発想とは、周りがどうすれば成功できるかを考えているときに、どうすれば失敗してしまうのかを考えるということだ。その考えに基づき失敗を避けていくと、成功もそれほど難しくなくなる」

ーーあなたはこれまで数奇といえる人生を送ってきましたが、その経歴からどのような影響を受けたのでしょうか。

「人生は一人ひとり異なる。選べるものではないし、評価を下せるものでもない。手持ちのカードでできるだけのことをすればいい」

「それから、山に登るルートは一本ではない。ヒマラヤに登頂するためのルートはたくさんあるのだ」

ーーあなたの投資会社はヒマラヤという名ですが、これは業界最高の投資会社になるという意味合いを込めているのでしょうか。

「私は最大規模のファンドを運営する野心もなければ、最高額の収益を出したいという考えもない」

「思うに、人生で大事なことは2つある。まず、他人にとって役に立つ人間となること。それは友人、父親、夫としてでもいい、誰かの役に立つ、または社会の役に立つことが大事だ。もう一つは、絶えず自分を高めていくこと。財産を増やす、知識を増やすなどがそうだ。だからヒマラヤというのは、そうした人生のプロセスの比喩だ。この山は一筋縄では行かない、時間がかかっても登り切る方法を見つけなくてはならないという意味だ」

(翻訳・小六)

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