大ヒットゲーム『原神』の開発元miHoYo、著名大学病院とBMI研究ラボを設立

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売上高で記録更新を続ける人気タイトル「原神(Genshin)」を世に送り出した中国のゲーム開発会社「miHoYo(米哈游網絡科技)」が、新たにブレイン・マシン・インターフェース(BMI)事業への投資に踏み出した。

miHoYo、大学病院と共同でラボ設立

今月4日、miHoYoと上海交通大学付属瑞金医院は戦略的提携協議を締結した。IT分野と臨床研究分野、それぞれの強みを活かし、共同で「瑞金医院脳疾患センターmiHoYo共同実験室」を設立したのだ。双方はBMI技術の開発および臨床応用などの研究課題に取り組んでいく。すでに「BMIを活用したニューロモジュレーションによる難治性うつ病治療に関する診療研究」プロジェクトに着手しているという。

BMIとニューロモジュレーションに取り組む中国初の研究所

瑞金医院は昨年末、中国で初のBMI・ニューロモジュレーションセンターを設立し、うつ病を治療するBMIの臨床研究を開始している。センターを統括するのは瑞金医院機能神経外科の孫伯民主任と、上海交通大学コンピューターサイエンス・エンジニアリング学科の呂宝糧教授だ。

孫伯民主任はアジア・オーストラリア定位・機能神経外科学会(AASSFN)の会長も務める人物で、2001年に世界で初めて脳の内包前脚の損傷がブドウ糖代謝にもたらす変化についての報告書を発表した。2007年には神経性無食欲症(いわゆる拒食症)の手術による治療法を発表している。

呂宝糧教授は電気・情報工学の学術研究団体IEEE(アイ・トリプルイー)のフェローでもあり、脳型コンピューティング(ブレインライク・コンピューティング)、ニューラルネットワーク、機械学習、BMI、感情コンピューティング(アフェクティブ・コンピューティング)を研究する。

呂教授は、冒頭で触れたゲーム会社miHoYoでCEOを務める蔡浩宇氏の修士課程時代の恩師だ。

孫主任によると、BMIによるうつ病治療技術についてはすでに研究の第一段階を終えている。脳内に電極を挿入し神経回路に直接働きかけるもので、電気刺激によってニューロモジュレーションを行う。うつ病などの精神疾患は脳内の神経回路の異常によって引き起こされるもので、こうした治療法は従来の薬物治療に比べ、脳内の問題箇所にピンポイントでアプローチできる。

しかしこの技術では、治療の効果が患者の主観的な感覚でしか測れない。そこで次世代の技術を研究中だが、電極に神経信号の記録機能を持たせ、コンピューター上に反映させる試みがなされ、同プロジェクトにはmiHoYoが資金を提供している。患者に問題がある場合、どのタイミングでうつ状態となり、どのような経過をたどるのかが直接モニタリングできるようになるという。

DBS(脳深部刺激療法)の神経刺激装置は従来の15年よりも長く、体内に25年まで留置できるようになるという。

10億人が暮らすバーチャル世界

BMIといっても、上海交通大学と瑞金医院が研究しているのはもっぱら臨床・治療分野に限るが、ここに出資してきたmiHoYoとはどのような企業なのだろうか。

2011年、上海交通大学でコンピューターサイエンスを専攻していた24歳の若者ーー蔡浩宇氏、劉偉氏、羅宇皓氏の3人がmiHoYoを立ち上げた。3人ともACG(アニメ・漫画・ゲーム)愛好者で、事業内容ももちろんACG関連、設立資金は10万元(約170万円)だったという。

2012年2月に正式始動したmiHoYoはモバイルゲームやアニメ・漫画関連の事業を手がけ、2016年までにスマホゲーム「崩壊学園」シリーズの3タイトルをリリースし、2017年には売上高が5億8800万元(約98億円)に達した。同年、miHoYoは12億2200万元(約200億円)の調達を目指して上場を申請した。しかし昨年9月にこれを撤回し、「原神」をリリースしている。

みるまにヒット作となった原神は、米アプリ調査会社SensorTowerの最新データによると、これまでに8億7400万ドル(約950億円)の収益を上げ、モバイルゲームの収益額としてはテンセントの「王者栄耀(Honor of Kings)」、「PUBG Mobile」に次いで世界3位につけた。

先月、miHoYoの蔡CEOは次のフラグとして「2030年までに世界の10億人が住みたいと思うようなバーチャルワールドを築き上げる」と宣言している。

作者:WeChat公式アカウント「量子位(ID:QbitAI)、魚羊・揚浄

(翻訳・愛玉)

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