ハリウッドの映画会社も頼る、ビッグデータ・マーケティング・コンサルティング会社「AIO」、数百万米ドルのエンジェル・ラウンド資金調達
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36Krの入手した情報によると、ビッグデータ・マーケティング・コンサルタント会社「AIO」はこのほど、数百万米ドルのエンジェル・ラウンド資金調達した。投資元はNASDAQ上場企業のRemarkHoldingsだ。本ラウンドで得た資金は、マルチ・エンターテイメントAIプラットフォームの研究開発、国際エンターテイメントの普及に関する研究、ハリウッド映画の市場拡大に投じられる。
2017年6月、AIOは奥玩科技より独立。国内外の映画会社に特化し、その全期間のデータ収集及びコンサルティング業務を提供する。これまでにワーナー、ディズニー、マーベル・スタジオなどのハリウッド映画エンターテイメント会社にサービスを提供、「キャプテン・アメリカ」、「ジャスティス・リーグ」、「トゥームレイダー ファースト・ミッション」などの映画にデータ提供とコンサルティングを行った。

グローバル・エンターテイメント業界における制作レベルは急速に向上したものの、宣伝と配信に関しては、プランニング-制作-発表という、効率の悪い旧態依然のマーケティング手法のままだ。興行収入の高い映画はよく見かけるものの、興行収入の高い不確定性は投資リスクを大いに高めている。公表されているデータを見ると、映画への投資で収益を得られる可能性はおおむね10%~20%で、投資回収率は100%を超えることもあれば10%を下回ることもある。このことからも、上映前の広告活動が興行収入を確保する最後の砦といえる。
マルチ・エンターテイメント業界において、データベース・マーケティング・サービスを提供する会社は少なくない。奥玩科技と何か違いはあるのか?ハリウッドはどういうところにひかれたのか?
説明によると、AIOは全工程人工知能エンジンを有しており、AIアプリケーションがマルチ・エンターテイメント・マーケティングの各段階において、関係する情報を自動的に検出、捕捉、データクレンジング、データマイニングとモデリングの反復、AIOのグローバル・システムに基いた戦略策定、広告の自動作成、配信、広告の効果と興行状況をフィードバックしての改善を行う。そしてこれらのプロセスを、人手を介さずに実施できる。
具体的に、主なAIOの強みは以下の通り:
l 幅広いデータソース。奥玩のデータ・インターフェースはすでに、SNS、ニュースサイト、動画サイト、ショートムービー・プラットフォーム、垂直統合型サイトなどを含めた、エンターテイメント・マーケティングのフィールドとなるメディアをすべてカバーしている。特に、騰訊(テンセント)のデータ・インターフェースはあらゆるサイトのデータを観測することができ、コミュニティー像のデータベース化、セグメント・チャネル選択のサービスが実現可能である。
l マルチ・エンターテイメント業界の統計に適する。従前の統計方法では常々「ブラックボックス」問題に直面する。例えば、ネットの閲覧量を計算する場合、大体は各サイトの数値を合計して算出するが、AIOは学術研究上の統計手法に基づき、エンターテイメント業界の特徴、性質よりマルチ・エンターテイメント業界に適用できる統計手法を生成する。その手法においては、対象者の年齢、経済水準、ソーシャルメディア上での活動などの要素を基に推計を行い、そのあと異なるメディア・プラットフォームでのユーザー属性に基づいて値を割り当て、リーチ効果を推計する。
l データのフィードバックにおける適時性。AIO創業者でCEOの聞泰麟氏によると、エンターテイメント・マーケティングは継続反復行動であり、正負どちらの情報があろうと、最初のアクションは素早くとる必要があり、そうしないとせっかくの好機を逃してしまう、とのことだ。AIOは独自にユーザーグループ体系を作成、ユーザーのインターネット上での行動痕跡からその特徴を調べ、それに基づき異なる7つのグループに分ける。行動特性は長期的に安定するため、ユーザーグループごとに広告戦略を立てる。それに基づき、最適な広告チャネルを見つけることができる。

AIO提供のデータによると、AIマーケティングシステムによりリーチ率を50%以上高めることができ、業界コンテンツの作成と実行のコストを30%以上削減可能だ。例えば2018年の「トゥームレイダー ファースト・ミッション」の場合、映画会社予測の、中国での興行収入は3億元(約48億円)で、AIO提供のデータ・サービスに基づく興行収入は最終的に4.97億元となった。
AIOの前身は技術系B2B企業で、映画館向けにスマートSaaSデータ・ソリューションを提供していた。2016年からは国家広播電視総局の独自データベース・パートナーとなり、「イップ・マン 継承」での興行成績偽装問題、その他多くの映画市場における興行収入過少報告や内容に関する虚偽情報拡散などの問題に対する早期警戒を担った。
聞泰麟氏によると、社は段階1.0でレポート型のデータ・サービスを提供し、段階2.0で全期間におけるデータ収集と検索サービスを提供、次の段階3.0では現在のAIプラットフォームを改善する計画で、マーケティング戦略における有効性を検証し、さらにスマートなマーケティングと広告戦略を提供する、とのことだ。簡単に言うと、ビッグデータを活用し、最も効率的な手法で最も適したチャネルを通し、最大数の潜在的購買能力のあるユーザーに広告を配信する。
最後に、チームの紹介をしよう。創業者の聞泰麟氏はシリアル・アントレプレナー(連続起業家)で、三星(サムスン)の中国エリア副総裁だった曲敬東氏とともにCidTech北京神州智聯科技を設立、さらに産業デザイン消費者ブランドDOONを設立し、独レッド・ドット・デザイン賞を受賞した。コアメンバーは清華大学、米ラトガース大学、中国人民大学、北京航空航天大学などの大学及び専門学校出身者で、FOX中国法人、大連万達、米ETS、新浪、エーザイなどの法人での職務経験があり、人工知能技術とマルチ・エンターテイメント業界における長年の経験がある。