IoTプラットフォームの「蜂電科技」がシリーズA+ラウンドで6000万元を調達 スマート製造、スマートシティ分野への進出に照準

IoTチップの製造、IoTプラットフォームの構築を手がける「蜂電科技(以下、蜂電)」がこの度、シリーズA+ラウンドで6000万元(約9億6000万円)の調達を完了した。今回は、招商局(招商局集団有限公司)がファンドを設立、勢能資本(スキーム・キャピタル)がファンドマネージャーを務めた。調達した資金はマンション経営業界に向けた電気消費データ管理サービスの市場拡大に活用するほか、スマート製造やスマートシティ分野での電力消費データ管理プログラムの開発や普及にも活用する考えだ。

蜂電は2014年に創業。当初は電力線通信チップ(PLCチップ)の開発を独自に進め、2015年には関連商品を出した。その後は政府のオフィスビル自動管理のプロジェクトなどに関わる中、その技術を照明のIoTコントロール、大気環境観測などに応用してきた。

さまざまなプロジェクトで培ったこ経験をほかの分野でも活用しようと、マンション管理業界における潜在ニーズに着目し2016年に進出。マンション管理業界へスマートメーターや電力消費量管理などのサービスを提供するようになり、現在はこれが蜂電のビジネスの基幹となっている。

具体的には、スマートメーターはマンション管理者やローン貸付機関に以下のようなメリットをもたらす。例えば、
§ 戸ごとに消費電力を計算できるため、電気代分担のいざこざを解決できる。
§ 遠隔地から消費電気量を測定し、支払いにも対応できるため検診員が不要、人件コストを節約できる。
§ 遠隔地から送電、停電のコントロールができるため、電気代や家賃の滞納時に対応ができる。
§ データを通じて家賃の支払い状況を都度確認することができるため、貸し倒れを防ぐことが可能となる。

市場に出回っているスマートメーターの多くはワイヤレスネットワークを用いて電力の使用状況を測定・送信しているが、蜂電科技が販売しているスマートメーターやスマートコンセントは内部に組み込まれたPLCチップの働きにより、直接220ボルトの強力な電力を用いてデータを送信することができる、この方法のメリットは、以下のようなものだ。
§ 通信状況を安定させやすい。ワイヤレスネットワークでは通信信号が安定しないため、送信がスムーズにいかないことがある。
§ 設置コストが低い。別途ケーブル工事をする必要がなく、直接取りつけることができる。

蜂電のCEOである姫曉鵬によれば、蜂電は技術力のほかにも電力管理サービス周辺の総合的なサービスが優れていると話す。例えば、国家電網の支払いシステムとリンクが可能で、支付宝(アリペイ)や、微信(ウィチャット)で家賃などの支払いができる点などだ。

蜂電提供の資料によれば、これまでに青檸公寓、蛋殻公寓、楽乎など300以上のマンションブランドと提携しており、カバー都市は全国18都市にわたる。昨年の製品販売件数は30万、今年は80万を越える見通しだ。

今後はマンション管理市場のさらなる開拓を進めていくほか、新たな一手としてスマート製造とスマートシティの分野への進出に照準を定めている。

スマート製造は、工場やテクノポリスなどが対象となる。スマートコンセントなどの製品を通し、コンセント単位、生産ライン単位の消費電力量や電圧などのデータをリアルタイムで計測することができるものだ。管理者はネットワークを通じて電力の使用状況の詳細を把握することができ、最適な省エネ運用、効率化につなげることが可能となる。スマートシティは、オフィスビルのエネルギー管理、街灯の監視やネットワークコントロールなど、インフラのデジタル管理が主だ。

今回の資金調達に招商局が絡んでいるとなると、蜂電は資金面だけでなくリソースの面でも環境面でも強力なサポーターを得たということを意味する。

招商局は、中央が直接コントロールしている国有企業の中でも特に重要な事業を手がける複合企業。業務内容も運輸交通、金融、不動産と幅広く、インフラや設備製造、物流、総合金融、都市とテクノポリスの総合開発などを行う四大セクターのひとつである。これまでもスマート製造や不動産関連の企業、例えば大族激光(ハンス・レーザ・テクノロジ・インダストリア・グループ)、山河智能(サンワード・イクイップメント・グループ)、宇順電子、万達商業地産(大連ワンダ・コマーシャル・プロパティーズ)に投資を行ってきた例がある。

姫曉鵬は、今後の長期的な目標として未来のIoT利用環境に照準を合わせ、ナローバンド、ブロードバンドでの通信により、全てのエンドユーザーの通信ネットワークにおけるあらゆる問題を解決し、同時に低コスト、遠隔操作、全域カバーを実現していきたいと語る。

この目標の実現に欠かせないのは、独自に開発した次世代製品「電力線+ワイヤレスの混合チップ」。電力線とワイヤレスの通信方法の双方のメリットを兼ね揃えたものだ。姫曉鵬によれば、この製品はすでに完成しており、市場のニーズが高まったところで一気に量産が可能だとのこと。二年以内にはこれを成し遂げたいとのことだ。

その他にも、半導体の大御所であるARMとの提携で、IoT分野においてチップの開発と応用を推し進めていくことにも言及した。

蜂電はこれまでにアリババCEOの陸兆禧からシリーズAラウンドによる千万元の、長江汇英資本がリードしたプレAラウンドによる700万元の、上海南翔がファンド開設した300万元のエンジェルラウンドでの資金調達を行っている。

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