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労働集約型の倉庫業界に自動化の波、物流ロボット「HAI ROBOTICS」が目指す省人化

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物流倉庫で稼働するロボットを手がける「海柔創新(HAI ROBOTICS)」がシリーズB+で1億元(約16億8000万円)を調達したことがわかった。出資を主導したのは「五源資本(5Y Capital)」で、シリーズBでも出資した「源碼資本(SourceCode Capital)」「Walden International(華登国際)」も参加した。

2016年に設立された海柔創新は、ACR(Autonomous Case-handling Robot、自動ケースハンドリングロボット)システムとソリューション開発に特化している。主力製品はACRシステム「庫宝(HAIPICK)」で、同システムは実際の作業を行うロボットに加え、作業工程をインテリジェントに管理するソフトウェアプラットフォーム「HAIQ」や多機能ワークステーションなどで構成される。部材のピックアップ、運搬、仕分けを行い、柔軟性に富んだ自動化を実現したい物流倉庫や工場に導入されている。

創業者の陳宇奇CEOは、倉庫ロボットが用いる技術は二つに大別されると説明する。一つ目はロボット本体に用いられる技術で、二つ目はソフトウェアシステムに用いられる技術だ。前者はロボットの制御、ナビゲーション、位置検出に必要なもので、後者はタスクの配分を行い、顧客の業務内容と調整するためのものだ。海柔創新はこれら一連の技術に関して300以上もの知的財産権を有する。

HAIPICKの管理プラットフォームHAIQは、倉庫全体を統括するソフトウェアシステムだ。システム内のIWMS(Intelligent Warehouse Management System、インテリジェント倉庫管理システム)はデータの収集と処理、最適化を担い、データ管理、庫内作業管理、ロケーション(保管場所)管理のカスタマイズ、庫内設備の健全度観測、報告書の自動管理などを実現させる。ESSは複数の設備の操作システムを統括し、受注内容やタスクを自動的に配分する。RCS(Robot Control System、ロボット制御システム)はロボットの経路設計や交通管理、充電・待機時間の管理を行い、正確かつ高効率にタスクを実行させる。

倉庫ロボットは一般的にAGV(無人搬送車)の技術を用いて収納棚と作業員をつなぐ機能を持つが、海柔創新が独自に開発したACRは、QRコードを介して各棚の位置情報をロボットに提供し、コンテナと作業員をつなぐ機能にまで拡張させた。2000平方メートル規模の倉庫なら1週間ほどで実装できるという。HAIPICKのロボットは、棚と棚の間隔を狭く配置し、通路が細くなっても稼働できるため、倉庫の保管密度を上げられることに加え、高さ5メートルにまでリーチするため、収納棚を高くしてより多くの縦スペースを活用できる。HAIPICKシステムの保管密度と労働生産性は従来型のAGVの2倍に達し、同社製の自動積み卸しポート「HAIPORT」と組み合わせれば、一つのロケーションで毎時400〜600SKUの荷物を処理できる。

香港のEコマース企業の倉庫で稼働する「HAIPICK A42D」。ダブルディープ式の棚に対応する

現在、海柔創新の製品は3PL(サードパーティー・ロジスティクス)、靴・衣料品、Eコマース、パソコン・通信機器・家電、医薬品、電力などの各業界で広く導入されている。中国の物流大手「SFエクスプレス(順豊速運)」や「京東物流(JD Logstics)」、EC大手アリババ傘下のデジタル工場「迅犀(Xunxi)」、中国国営の電力配送企業「国家電網(State Grid)」、ヘルスケア家電大手フィリップスなど多様な業界の名だたる企業と提携しており、すでに90以上のプロジェクトで稼働中で、600台以上のロボットを提供済みだ。

顧客企業が主に重要視する保管密度、仕分け効率、安定性、柔軟性の四つの業務指標でいずれも優れた成績を出しており、提携先の継続率も高い。

フィリップスの珠海工場で稼働する「HAIPICK A42」

陳CEOによると、現段階では大多数の物流倉庫は業務を作業員に頼っており、自動化の浸透率はわずか1%だ。中国でもいずれ人口ボーナス期が終わり、将来的に人件費の高騰が必然となる中、労働集約型の倉庫業界には必ずや自動化の波が押し寄せる。物流業界の調査・アドバイザリーを手がける「Logistics IQ」によると、倉庫自動化の世界市場における2019年から2025年の年平均成長率は11.7%で、2025年には市場規模が270億ドル(約2兆9500億円)に達するという。

物流倉庫のインテリジェント化をめぐる市場では近年、「極智嘉科技(Geek+)」「快倉智能科技(Quicktron)」「海康機器人(HIKROBOT)」「水岩科技(Water Rock Technology)」「Fetch Robotics」など中国内外を問わず多くのロボット開発企業が登場しており、すでに同質化や価格競争がはじまっている。

今年の事業拡大計画として、陳CEOは海外事業の展開と国際競争力の強化を挙げた。年末までに事業全体に占める海外事業の割合を40%にまで引き上げたいという。急成長のためには組織固めも重要で、従業員数を1000人規模にする予定だ。

現在の従業員数は約380人で、60%を開発エンジニアが占める。コアメンバーはロボティクスやメカトロニクスの分野で豊富な経験を有し、陳CEOは香港理工大学電子学部を卒業後、スイス連邦工科大学チューリッヒ校(ETH)でロボティクスを専攻し、倉庫ロボットの研究に長年携わってきた人物だ。
(翻訳・愛玉)

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