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企業向け支出管理プラットフォーム「分貝通(Fenbeitong)」が、シリーズCで9250万ドル(約100億円)を調達した。「高瓴創投(GL Ventures)」とテンセントが共同リードインベスターとして、既存株主の「IDG資本」「Ribbit Capital」「斯道資本(Eight Roads)」「Glade Brook Capital」がコインベスターとして出資。「元一資本(Yuanyi Capital)」が単独で財務顧問を務めた。これで同社が調達した資金は累計10億元(約170億円)を超えた。
分貝通はまず利用頻度の高い出張・飲食からサービスを始め、徐々に企業のすべての支払いシーンをカバーするようになった。経費管理、支払いおよび支払いシーンを統合したモデルで、次世代の企業向け支出管理プラットフォームを目指している。同サービスを利用すれば、従業員は航空券やホテル、列車、自動車、飲食などを直接予約でき、申請や立て替えといった経費精算の煩わしさから解放される。企業は口座へのチャージを済ませれば、紙の領収書の回収から照合、振込までの精算プロセスが不要になる。
前回のシリーズB+での資金調達から1年が経ち、分貝通の売上高や製品、チームなどには大きな変化があった。
1つ目は、売上高は、2018年のシリーズBでの資金調達完了後、急成長期に入った。19年と20年の売上高はいずれも前年の3倍前後に伸び、20年に法人顧客が分貝通を通じて支払った金額は25億元(約430億円)に達した。特筆すべき点は、20年に売上継続率が140%を上回ったことだ。
次に、製品については、当初はアプリは一つのみで出張、飲食、福利厚生、仕入れへの対応に集中していたが、2020年に小口現金と経費の支払いソリューションを開始。現在は家賃や仕入れ、マーケティング費用、クラウドサーバーなどの支払いができる。2021年初めには全面的なオンライン精算を実現し、企業のすべての支払いに対応できるようになった。
最後にビジネスモデルも、分貝通が急成長を続ける理由となっている。同社の顧客は急成長中のニューエコノミー企業およびデジタル化推進に強い意欲のある中堅・大手企業に集中している。また、SaaSの利用料だけではなく、マージンが大きな割合を占めていることも同社のビジネスモデルの特徴となっている。
今回、各投資機関が競って出資したことは、SaaSと取引を組み合わせたモデルが資本市場で高い評価を得ていることを裏付けた。創業者の蘭希氏は、分貝通は企業にオンラインだけで解決するオールインワンの製品とサービスを提供し、次世代の企業向け支出管理プラットフォームを構築したいとしている。
インターネット技術が普及し、クラウドコンピューティングとAI技術が新時代のインフラになっている。将来的に、支出管理プラットフォームは情報、資金、領収書の流れを統合し、企業の支出に関して支出管理の基礎データに基づく全面的な分析、スマート予測、リスク提示、スマートレコメンドを行うものになる。企業の財務諸表は今後、一つのプラットフォームですべての支出状況をリアルタイムで確認できるようになり、企業のデジタル化が進むだろう。
(翻訳・二胡)
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