米生鮮EC「Weee!」がシリーズDで330億円調達 高効率の自社運営モデルで在米移民市場を開拓

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米生鮮EC「Weee!」がシリーズDで330億円調達 高効率の自社運営モデルで在米移民市場を開拓

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米国の、同一カテゴリーとなる人口の少ない少数移民向け生鮮EC「Weee!」が、シリーズDで3億ドル(約330億円)を調達した。リードインベスターは既存株主の「DST Global」、コインベスターは今回新たに出資した「Blackstone Growth」、「Tiger Global(タイガーグローバル)」、「Arena Holdings」およびシリーズBでリードインベスターを務めたXVC。今回調達した資金は米国内での配送地域の拡大、サプライチェーンの多様化、米国のアジア系およびスペイン系移民の市場の開拓、人材拡充、最新技術の開発などに充てる。

同社はこれまでにXVC、「DST Global」「Goodwater Capital」「iFly.vc」「Lightspeed Ventures」「VMG」などの投資機関から1億ドル(約110億円)以上の出資を獲得している。

Weee!は2015年設立で、当初は中国で爆発的に成長している共同購入モデルを参考にし、サプライヤーの商品を厳選し、出荷はサプライヤーが行う共同購入の形態だった。

2017年には自社運営のECモデルに転換し、大型倉庫から出荷してUberなど他のプラットフォームにも登録している運転手が配送。サプライチェーン、物流および倉庫保管システムを新たに構築した。生鮮ECの普及率が10%未満の米国において、自社運営モデルは集中的に顧客を獲得しやすく、スケールメリットが得られる。同社からのデータによると、現在Weee!は全米の15都市をカバーし、リーチ可能なユーザーは約500万人、年間の売上高は数億ドル(数百億円)になる。

Weee!のアプリ画面

創業者Larry氏は、Weee!はECにソーシャルとコンテンツの要素を取り入れ、さらにレコメンド機能によりユーザーに予定にない商品の購入を促し、客単価の向上を図っていると話す。また、同氏は技術が同社のコアコンピタンスと考えており、倉庫保管・物流や配送のソフトウェアを自社で開発している。

集客面では少数派の移民の買い物のニーズは重視されることが少ないため、需要を満足させることができるWeee!のような企業に対してユーザーのロイヤルティーは往々にして高く、口コミで広がりやすい。プラットフォームではプロモーションによる新規ユーザーの獲得や推薦・口コミなどで集客を強化し、Facebook、Instagramなどにも広告を投入している。

商品は通常の生鮮食品のほか、中華レストランなどとの提携により惣菜や惣菜半製品もあり、それがプラットフォームの特色になっている。全プラットフォームでSKU は3000以上あり、ユーザーの注文頻度は月4回程度だ。

倉庫保管に関しては大型倉庫モデルを採用し、配達先住所と運転手のルートに合わせて注文を割り振り、現在は一人の運転手が1時間で平均10以上の注文を配送する。

Larry氏は、「米国の生鮮ECはモデル模索の段階にあって中国のように競争が激しくないが、コロナの影響で業界の成長が2~3年早まった。生鮮ECはECの中でも普及率が最低だが、少数移民向けの生鮮市場は2030年には4640億ドル(約51兆円)以上になると予想される。2024年までに配送サービスを北米の30余りの都市に拡大する計画だ」と話す。

Larry氏はかつてインテルのエンジニアを務め、EC分野での起業経験がある。コアメンバーはシリコンバレー出身で、Larry氏以外の2人の創業者も技術者出身だ。

投資機関の見方

DST Globalの執行パートナーRahul Mehta氏は、「Weee!の商品重視の運営方法およびソーシャルを活用したビジネスモデルは他社と一線を画している」と指摘する。

XVCパートナー胡博予氏は、「この1年余りで創業チームは急成長した。仕入れ、倉庫保管・配送、ユーザー体験において改善を重ねて効率を高め、移民向け市場にチャレンジしている」と語った。

(翻訳・二胡)

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