越境ECで人気のスキンケアブランド「Aesop」「THE BODY SHOP」、正式に中国上陸か 

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人気スキンケアブランド「Aesop(イソップ)」と「THE BODY SHOP(ザ・ボディショップ)」を展開するブラジル最大規模の化粧品企業「ナチュラ・コスメティコス(NATURA COSMETICOS、以下ナチュラ社)」が2020年第4四半期(10~12月)と2020会計年度の決算報告を行った際に、上述の2ブランドを中国で展開する準備に着手したと発表した。

ナチュラ社によると、オンライン消費とアジア経済の回復が後押しとなり、中でもAesopの業績が突出。第4四半期の売上高は前年同期比62.1%の純増、EC事業は同190%と大幅に成長した。

THE BODY SHOPは主に英国とアジア市場で売り上げを伸ばしており、第4四半期の売上高は前年同期比48.4%増、EC事業は同72%の成長となった。ソーシャルセリングの「THE BODY SHOP AT HOME」事業の売上高は206%増となった。

ナチュラ社のロベルト・マルケス執行会長によると、上述の2ブランドは今年上半期にも中国での製品登録を完成させるという。イソップは今年第4四半期に上海に一号店を、THE BODY SHOPは2022年に一号店をオープンする予定だ。

THE BODY SHOPは以前、中国の空港免税店で販売されていた。しかし動物実験に関する規定(外国の化粧品ブランドは中国国内で販売する場合、中国で現地の機関による動物実験を受ける必要がある)のため、動物実験反対の立場を取っている同社は2014年に中国市場から完全撤退していた。

Aesop 銀座店

3月上旬、国家食品薬品監督管理局(NMPA)が発表した新しい規定により、化粧品の動物実験に関する条件が緩和された。同規定では、一部の国家や地域がすでに化粧品の動物実験を禁止していることを十分に考慮し、条件付きで動物実験に代替する毒性試験による証明書を受け付ける予定だとしている。

これは動物実験反対の立場を表明している両ブランドが中国市場に参入する良いきっかけとなるだろう。

両ブランドとも、以前はアリババの越境ECサイト「Tmall Global(天猫国際)」に出店する形をとって中国向けに販売していた。実店舗はないものの、両ブランドともかなりの売り上げを上げていたという。

Aesopは2018年に天猫国際に海外旗艦店をオープンして以来、2430万ドル(約26億7000万円)以上を売り上げている。抗酸化作用を持つパセリシードを使用した美容液を目玉にしており、ソーシャルECの「小紅書(RED)」には同ブランドに関する記事が3万件以上もある。THE BODY SHOPは女優の宋軼が美容情報に特化したバラエティー番組「Beauty小姐」の中で紹介してからより注目を集めるようになった。

マルケス執行会長は決算報告の電話会議でアナリストに対し、中国市場での発展について話すのは時期尚早だが、ナチュラ社、特にAesopとTHE BODY SHOPの両ブランドは中国市場に参入できるよう注力していくと話している。

あるメディアでは、アフターコロナに市場競争が激化していけば、ナチュラ社が中国進出を加速するのは自然だという見方をしている。中国ではすでに良好な評判と安定したファンという基盤があるため、正式に参入する際の障壁も低く、現状の販売数をさらに伸ばすことができるはずだ。

特に実店舗をブランドの強みとするAesopにとっては、店舗を持つことで消費者とより良いコミュニケーションが可能となるだろう。広告や有名人による宣伝に比べ、一軒ごとに異なる現地の雰囲気を反映させた独自のデザインやストーリーを持つ店舗こそが同ブランド最大のセールスポイントだからだ。

実店舗がオープンすれば、AesopとTHE BODY SHOPが中国で売り上げを伸ばすのは確実だろう。

(翻訳・山口幸子)

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