「金融 + 物流」農産物コモディティ取引のクローズドループ構築 「糧達網」の取引額は600億元(約9,600億円)を突破
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糧達網(Liangdawang.com)は、中糧グループ(COFCO)と招商局グループ(CHINA MERCHANTS GROUP)が共同で設立した農産物コモディティ取引のB2Bプラットフォームで、主要業務はトウモロコシ、小麦、コメ等農産品の取引・精算・金融・物流・情報等多種サービスをユーザーへ提供。ソリューションはサプライチェーン金融と物流サービスから農業食糧産業に切り込み、漸進的に農業食糧B2Bクローズド取引サービスシステムを設立。2015年11月に正式リリースされた。
コモディティ取引は小売とは異なり、ひとまとまりの取引には、資本・物流・倉庫などのワンストップサービスのサポートが必要である。
農業食糧産業は薄利で、農業食糧企業は、主に円滑な投資保障資金チェーンに依存しており、長期資金は不足している。しかし、農業食糧取引経営者の信用状況はまちまちで、銀行借入金は金利が高いだけでなく、限度額がある。
物流・倉庫の面では、糧達網の最高経営責任者(CEO)杜東強は、これはコモディティ農産物取引で最も難しい部分の一つで、「多くの場合顧客は、上流(供給側)の穀物がどこにあるか見ることができるが、運んで来れないので取引できない」と語った。
現在、業界内の農業食糧B2Bプラットフォームの大多数はオンライン取引サービスしか提供しておらず、資本と物流の保障サービスを同時に提供できるプラットフォームは少ない。これには、プラットフォームのリソース整合能力とリスク管理能力が必要である。
リソースの整合
では糧達網はどのようにリソースを整合して資金の流れと物流の問題を解決しているか?糧達網の2つの中核事業及び継続的な事業探査から整理しよう。
1. サプライチェーン金融サービス:糧達網は中央企業をバックに、3億元(約50億円)の登録資本・十数億元(約300億円)の低金利の銀行与信及びサードパーティの直接金融を持ち、資金能力は豊富で、ユーザーに保障付きのサプライチェーンの金融サービスを提供することができる。売買サービスを例に取ると、売り手はまず食料品を糧達網の指定倉庫に入れ、糧達網によって買い手のために代金の一部を立て替え、食料品を南方に輸送して販売した後、プラットフォームは取引期間に立て替え払いして発生した利息を控除し、残りを買い手に返還する。このモデルは、買い手と売り手双方の資金面での圧力を軽減し、企業の資本回転率を高めることができる。

2. 一貫した倉庫物流サービス:物流及び輸送の問題を解決するために、糧達網は全国で提携受け渡し倉庫を募集し(すでに累計約200件)、それによって食品輸送及び貯蔵の安全性を保障している。トラック輸送、鉄道、海上、内陸はしけ等の物流業者との協力で、ワンストップの物流・輸送サービスを提供している。
糧達網の株主 招商局は中国最大の港湾事業者で、自前の船隊とドックは糧達網により多くの物流サービス利便性を提供し、物流コストを削減している。同時に、プラットフォーム効果の出る大口輸送(現在の累計運送量は1000万トン)、そしてプラットフォームの持つ方向予測能力は、運送費の長期固定や運送会社への専用路線開設要求により、さらに輸送コスト削減を可能にしている。
3. 継続的なビジネス探査:一般的な上場取引サービスに加えて、同社は入札や食糧源の先行販売等 新しい取引モデルの開発も行っている。
また、北方から南方への輸送は1カ月ほど時間がかかるが、その途中で生じるの価格変動はユーザーの利益を侵食する可能性があり、同時に違約のリスクが高まる。目下、農業食糧市場は価格ヘッジ構造が不足しており、今後糧達網は現物市場と先物市場を結合させ、価格発見する中間市場を形成することを考えている。同時に、食糧価格変動による損失をさらに減らすため、ユーザーに価格保険サービスを提供する。

リスク管理の構築
糧達網はリスク管理システムをどのように構築しているか?杜東強は、糧達網の強みは制御物流システムと協力受け渡し倉庫、滞留食糧源を解決する能力と十分な市場理解であると考える。
1. 糧達網は、独自の制御物流システムと協力受け渡し倉庫を持っていて、それぞれの取引の抵当食糧の状況と傾向をリアルタイムで把握できる。
2. 糧達網の登録ディーラーは6100社に達し、重要な食糧生産・マーケティングエリアに事務所を設置したので、食糧滞留問題を解決する能力を持つ。
3. 糧達網は中糧グループの商業情報資源を持っている。また、創業以来累計取引量は2820万トンに達し、取引額は600億元(約9,600億円)以上、大量の取引データを蓄積した。これらは糧達網が市場を予測し、ユーザーの信用限度額を調整するための道具となる。

長期的な発展の観点から、糧達網にはまだ解決すべき多くの難題がある。
初めに国有企業体制は機敏さが十分でなく、ジョブローテーションや任期システムが戦略的な方向性の継続を難しくさせ得る。次に国有企業への民間資本導入の流れの中で、新資金導入が十分でないと、既存のインセンティブ方式や経営状況の改変は困難になる。最後に、政策リスクがある。金融管理コントロールが厳しくなる趨勢は、金融サービスに影響を与える可能性がある。
以上の心配があるが、杜東強は「コモディティ農産物B2Bは資金と資源の面で参入のハードルは高く、どんな起業家でも簡単に足を踏み入れられる領域ではない。しかも現段階で糧達網は既にビジネスモデルを軌道に乗せ、次の段階の目標は金融市場へ進出、さらに多くの方法を試すこと。例えば物流の分野で両方向に延長し続け、上流側では奥地に深く入り、下流側では飼料工場や養殖場の門まで行く。このプラットフォームは2020年に黒字になると予想している」と 語る。
現在、糧達網チームは合計90人、すでにAラウンドの戦略的投資家の参加を計画し、目標金額は3億元(約50億円)。主な用途は、物流や受け渡し倉庫資源の充実及びIoTの構築、競争売買の推進・食糧源の先行販売等オンライン新製品の研究開発運営、情報サービスシステムの構築等を含む。