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イーロン・マスク氏が率いる米宇宙開発企業「SPACEX」、同社の衛星インターネットサービス「Starlink(スターリンク)」計画や火星探査計画を背景に、宇宙の商業利用分野が近年急成長している。しかし、今後打ち上げられる人工衛星の増加に伴って宇宙ごみが増えることから、人工衛星が宇宙探査、採集、回収の能力を備えているか、どの機関や企業がこれらの事業を行うかについて、広く関心が集まっている。
このほど、36Krは人工衛星を手掛ける中国企業「起源太空(Origin Space)」を取材した。同社メンバーは会社の目標について、「宇宙資源の採掘が最終目標だが、今年はまず宇宙ごみの回収と宇宙探査を実施する」と語った。
2020年4月、米国では宇宙資源の商業的な探査、回収と利用および月や小惑星での資源採掘に関して大統領令が発令され、翌5月にはNASAが宇宙探査に関する国際協力における新ガイドライン「アルテミス協定」を発表。起源太空によると、世界には宇宙資源採掘を手がける企業が数十社あるが、中国では起源太空が唯一だという。同社は2019年設立で、創業者である香港大学の蘇萌教授は暗黒物質粒子探査衛星「悟空号」の打ち上げに携わり、MIT(マサチューセッツ工科大学)に在籍中は米国の小惑星サンプル回収を行う探査機の設計に参加し、米天文学会で最高栄誉の一つであるブルーノ・ロッシ賞を受賞している。
記者が見学した衛星NEO-01は、小惑星での採鉱に向けて技術開発を進めている。また、今回の任務の関連技術は将来的に宇宙ごみの回収に応用できる。NEO-01は中国で一般企業が手がけるものとしては初の宇宙ごみ回収能力を備えた宇宙船であり、その意義は大きい。そのため、その開発と打ち上げには世界も注目している。NEO-01は採集装置を備え、採集した物体を大気圏で燃やす。同時に地球に対し150°の広視野角で地球を撮影し、撮影した情報は商業利用する。さらに、内部に設置したスマートフォンで衛星モジュールを無線制御する技術をテストする。これは将来に向けた技術だ。NEO-01は4月末に打ち上げ予定となっている。
ビジネスモデルとキャッシュフローについて、同社メンバーは「世界的にみて、宇宙の商用分野における取引先は主に政府と関連機関だ。現在の収入源は過去に打ち上げた宇宙探査衛星が撮影した情報で、商業や研究目的で利用される。NEO-01と宇宙望遠鏡『仰望一号』のビジネスモデルは、宇宙での採集、回収および宇宙探査で、これまでの衛星関連企業では不可能だった業務だ」と述べる。さらに、「現在この能力を備える会社は世界でも欧州の『CLEARSPACE』、日本の『Astroscale』と弊社の3社しかいない。Astroscaleはすでに約2億ドル(約220億円)を調達したが、コストと効率で言えば弊社の方が他社よりも優れている。将来の受注やキャッシュフローは心配していない」と説明した。
起源太空は今年、仰望一号を打ち上げる予定。中国初の光学式宇宙望遠鏡で、発射後には世界最強の広視野のUV検出器となるだろう。
(翻訳・二胡)
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