ドローン最大手DJI、自動運転システムに本腰 上海モーターショーで初公開

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民用ドローン世界最大手「DJI(大疆創新)」傘下のスマートドライビング部門「大疆車載(DJI Automotive)」が19日、第19回上海国際自動車工業展覧会(上海モーターショー)において「D80」「D80+」「D130」「D130+」などの自動運転システムに加え、駐車支援システム、コア部品を出展した。

大疆車載は2016年に設立され、2019年12月に車載向け製品の製造工場を立ち上げた。同年にはフォルクスワーゲン、上汽通用五菱汽車(SAIC-GM-Wuling Automotive)などの自動車メーカーと事業提携を開始。過去5年、同部門は中国国内のさまざまな公道で大規模な実用化実験を行ってきた。関係者によると、年内には同社の自動運転技術を搭載した車両の量産が開始されるという。

同部門が開発した城市快速道路(都市部に整備された高規格幹線道路)自動運転システム「D80」は2020年12月、Automotive SPICE(車載システムのプロセス改善と能力評価、A-SPICE)のCL2レベルに合格した。L2+レベルの自動運転技術が同認証を通過したのは中国で初めての事例だ。さらに、2021年3月に同社はハードウェア、メタニカルエンジニアリング向けのSPICE CL1の審査に合格。中国のベンダーとして初めて同認証を取得した。

D80シリーズは時速0~80kmの走行に対応。城市快速道路などでの利用に適する。一方、D130シリーズは時速0~130kmの走行に対応しており、高速道路での利用に適している。D80、D130と比較すると、D80+、D130+はより高い安全性とユーザー体験を提供する製品と言える。

市街地では、D80、D130シリーズとも「シティアシスト機能」が活用できる。あらかじめ設定した車速内で加減速し、先行車との適切な車間距離を維持しながら追従走行するACC(アダプティブクルーズコントロール)、ステアリング操作をアシストするLAS(レーンキープアシストシステム)、衝突被害軽減ブレーキ(AEBS)、ブラインドスポット検知(BSD)、前方衝突予測警報(FCW)といった最先端アシスト機能以外にも、交差点の自動運転アシスト機能も付いている。

同部門担当者は製品について「空間AI技術をさまざまな道路状況に応用することで地図やナビゲーションシステムの使用頻度を低減できる。DJIの両眼立体視技術を通じて事前訓練なしにいつでも障害物を感知でき、古い車線境界線と新しい車線境界線が混在する道路や車線境界線のない道路でも周囲の情報を適確に読み取り、安定した運転を実現できる」と説明する。

さらに、駐車シーンにおいては屋内、屋外、閉鎖空間で周辺映像360度の映し出し、駐車アシスト、出庫アシスト、屋外への無人車呼び寄せといったベーシックな機能のほか、中遠距離全自動駐車、中遠距離全自動呼び寄せ、後方衝突予測警報、後進用緊急ブレーキなどのハイレベル機能を備える。同機能はD80、D130シリーズの自動運転システムとドメインコントローラーを共有でき、ほとんどのセンサーを再利用したため、コスト削減につながった。

自動運転のコア部品に関しては、一眼レフカメラ、二眼レフカメラなどの各視覚感知システム、ドメインコントローラー、ドライバーモニタリングなどの製品を自社開発した。システムの内容に合わせた臨機応変な配置が可能だという。
(翻訳:Qiunai)

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