TikTokの本国版、生活関連サービス強化 地図検索結果をショート動画形式で

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TikTokの本国版、生活関連サービス強化 地図検索結果をショート動画形式で

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バイトダンス(字節跳動)がまもなく上場するという情報が注目を集めているが、バイトダンスの評価額を引き上げる主要事業は、ショート動画プラットフォーム「抖音(Douyin、海外版はTikTok)」をおいてほかにない。抖音はEC、ライブ配信、金融などを通じて生活関連サービスの強化を進めており、IPOに向けてラストスパートをかけるための基礎を固めつつある。

抖音が生活関連サービスに力を注いでいるのは周知の事実だ。アプリの内部テストバージョンでは、ユーザーの現在地の都市情報ページに地図サービスを追加した。ユーザーはグルメ、観光地、エンタメ、人気スポット情報、イベントなどについて地図上で検索し、検索結果をショート動画形式のコンテンツで見ることができる。さらにショート動画内のリンクを通じてオンラインで支払いを行ったうえで、実際の店舗やスポットに行き、品物を受け取ったりイベントに参加したりすることができる。

「位置情報サービス+O2O」で美団に挑む抖音

抖音が生活関連サービスの機能を実装したことで、以前から生活関連サービスを手がける「美団(Meituan)」にますます近づいてきた。まだ足りないのはフードデリバリーとコミュニティ向け共同購入サービスぐらいだ。抖音は都市情報サービスのページをアップデートし、以前からあった「共同購入」機能の替わりに地図サービスを追加した。現在、このサービスはテスト中で、地図はアリババ系地図アプリ「高徳地図(Amap)」から提供されている。

抖音の地図サービスは単なる地図機能だけではなく、美団傘下の口コミサイト「大衆点評(Dianping)」の地図サービスと同等の機能を持っている。異なっている点は抖音の地図では、地図上の店舗に関連する動画を表示できることだ。近くの人気スポットやローカル情報などもショート動画形式で表示できる。

左:抖音の地図サービス 右:大衆点評の地図サービス

抖音の地図サービスは、ユーザーの現在地情報、実店舗の検索、店舗や個人によるイベント、都市の人気スポットなど主に4つの機能がある。

現在地情報については、左下の現在地マークをタップすると、ユーザーがいる場所が特定され、付近の店舗や人気スポットの情報が表示されるようになっている。

店舗検索は、検索ボックスに関連する名称を入れて場所の検索を行ったり、地図を直接スクロールして周辺を検索したりすることもできる。

また、抖音にアカウントを持つ事業者がショート動画上に店舗の位置情報を追加し、その情報を基にユーザーが店舗を探すこともできる。また、ユーザーが観光スポットや店内で撮影したショート動画をアップロードし位置情報と紐づければ、観光スポットや店舗にとっては宣伝となるし、ほかのユーザーがその情報を参考にすることも可能だ。

人気スポットについては飲食やエンタメに限らず、アプリのシステムによって人気があると判断したショート動画が地図上に表示される。抖音は、地元ユーザーに限定したショート動画への入り口を地図上に作ったと言える。

抖音の関係者によると、地図サービスは抖音内部の新しいプロジェクトなのだという。現在はバーチャルペット機能を追加し、ユーザーとのインタラクティブなコミュニケーションを強化することで、ユーザーの滞在時間を伸ばし、転換率を上げようとしている。今後はソーシャル機能を追加するなど、地図ベースの多様なサービスを提供する予定だという。

抖音の生活関連サービスの進化

抖音のユーザーは2018年に5億人に達した。巨大なトラフィックは抖音に生活関連サービスという新たなビジネスをもたらした。抖音はこのサービスのためにPOI(Place Of Interest)チームを設立した。

2020年初頭の新型コロナウイルスの流行は、飲食など実店舗を持つ生活関連サービスに大きな打撃を与えた。抖音はタイミングを見計らって、実店舗をサポートする「抖音門店(Douyinmendian)」機能をリリースした。この機能の登録方法は企業アカウントと同じだ。

抖音門店は抖音が中小の事業者向けに打ち出したエリアマーケティング製品で、オンラインショップ開設のニーズに応え、オンラインで獲得したユーザーを実店舗での売り上げに繋げることを目的としている。ショート動画による店舗情報は、位置情報に基づいて地元ユーザーに優先的にリコメンドされるため、店舗はオンラインでの持続的なマーケティングを行うことができる。ユーザーはアプリのマーケティング機能を通じて、地元の優良店舗の情報やキャンペーンイベントなどを知ることができ、これが実店舗での消費に繋がっていく。コロナ禍の下、抖音門店に希望を見出し登録する店舗が増加した。抖音側は地元密着型の店舗リソースという重要なチャネルを獲得し、これらの店舗は抖音の忠実なユーザーともなった。

抖音はさらに「DOU地主ヒットランキング」をリリースした。このランキングは位置情報が紐づけられたショート動画の評価数に基づいて、1週間の動画ランキングを自動生成するものだ。ランクインしたユーザーは「地主」となり、地主のショート動画はランキング上で1週間表示される。このランキングは実店舗の知名度を上げ、ユーザー獲得に役立っている。

2020年7月には「チケット予約」や「ホテル予約」などの機能が企業アカウントのページに追加され、ショート動画を通じた予約取引が可能となった。当初は予約機能の部分は外部のプラットフォームに飛んで行う必要があったが、抖音の決済機能がリリースされたことによって、外部に流れていたトラフィックも、抖音内部で抱え込むことができるようになった。さらに企業アカウントが自社ショップ内にチケットサービスを追加し、抖音アプリ内で全ての取引が完結できるようになった。

今年1月、バイトダンスは生活関連事業を専門に担当する「ローカル直営業務センター」を設立し、生活関連サービスはバイトダンスの重点分野となった。この部門の設立は、抖音がバイトダンスの生活関連サービスの中で重要な位置を占めることを意味する。今回の調整は生活関連サービス事業の新たなスタートとなった。

今後、ユーザーにとって抖音が生活関連サービスを利用する際の主要ツールの1つとなるだろう。計画によるとリラクゼーションや美容などの生活情報も追加され、美団の簡易版ともいえる進化を遂げそうだ。

生活関連サービスは最近注目されている「金鉱脈」で、多くの企業がこの分野へ参入しようと殺到している。共同割引購入、飲食店でのアプリ注文、さらには地図サービスに至るまで、抖音は生活関連サービスの基盤をますます拡大させている。美団のような大手IT企業を相手に2兆元(約30兆円)規模の市場をめぐって仕掛ける戦いは、今後より一層加熱するだろう。
(翻訳・普洱)

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