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カジュアルバーを全店直営方式でチェーン展開する「Helen’s(海倫司小酒館 )」が3月末、香港証券取引所に目論見書を提出した。順調にいけば、中国のバー業界から初の上場企業が誕生する。
2009年に創業したHelen’sは「夜のスターバックス」を目指すと公言してきた。昨年末時点で中国国内約80都市で351店舗を運営し、バー業界におけるシェアを第1位の1.1%としている。極度に分散傾向にある中国バー業界において、Helen’sがチェーン展開を成功させた鍵はどこにあるのだろうか。
コスト管理による「低価格」
Helen’sの2018年の売上高は1億1500万元(約19億円)、粗利率は72.35%、純利益率は9.42%。19年の売上高は5億6500万元(約93億円)、粗利率は65.32%、純利益率は14.01%。20年の売上高は8億1800万元(約135億円)、粗利率は66.82%、純利益率は9.26%となっている。
昨年は新型コロナウイルス流行などの影響から売上高の伸び率と純利益率が減少したものの、同社の勢いに翳りは見られない。今年2月には非公開市場における最初で最後の資金調達として、3300万ドル(約34億8000万円)を調達している。リード・インベスターは「黒蟻資本(BA Capital)」、コ・インベスターは「中金公司(CICC)」だった。
Helen’sの売上構成比は約7割が自社製品、2割強が他社製アルコール飲料、残りはグッズなどの売上となっている。
自社製品はビールなどのアルコール飲料、低アルコール飲料およびスナックで構成されている。このうち、同社がビールに次ぐ人気商品にしようと打ち出している低アルコール飲料は、売上比率が2018年の25.5%から20年の40.1%へと伸びており、重要度が高まっていることが分かる。
Helen’sは自社製クラフトビールの275mlボトルを7.8元(約130円)で販売するほか、一般的には15〜30元(約250〜500円)で販売されているバドワイザーの275mlボトルを9.8元(約160円)で提供するなど、他社よりも圧倒的に低い価格設定を強みとしている。
同業他社よりも低価格で商品を提供してはいるが、アルコール飲料は粗利率が高いため、利益は十分に確保できている。目論見書によると、ビールを含む自社製アルコール飲料の粗利率は2018年の71.4%から20年の78.4%に上がっている。他社製アルコール飲料の粗利率も39.2%から51.5%へと大幅に上昇している。
運営の標準化と出店規模の拡大が進めば、さらなるコストの低減が見込まれる。Helen’sは原料価格の動向を緻密に観察しながら原料在庫を調整しているため、比較的容易にコスト管理ができる。
(翻訳・田村広子)
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