物流の自動運転実用化を目指す「Plus」、SPACと合併でニューヨーク上場へ

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物流の自動運転実用化を目指す「Plus」、SPACと合併でニューヨーク上場へ

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トラックの自動運転ソリューションを手がける「Plus(智加科技、旧Plus.ai)」は、SPAC(特別買収目的会社)の「HCIC V (Hennessy Capital Investment Corp. V )」との合併に合意し、合併後の今年第3四半期にもニューヨーク市場に上場することがわかった。

HCIC V は主に持続可能な工業技術やインフラを投資対象とし、今年1月にはナスダック市場でIPO(新規株式公開)を行い、3億4500万ドル(約380億円)を調達した。

PlusはHCIC V との合併後、5億ドル(約540億円)を調達し時価総額33億ドル(約3600億円)となる見込み。調達額のうち1億5000万ドル(約160億円)はブラックロック、D.E.Shawなど資産運用会社から、3億4500万ドル(約380億円)はHCIC V が出資する。

Plusは2016年に設立され、自動運転機能を搭載した大型トラックの量産に加え、L4クラスの自動運転技術を物流企業に提供し、幹線物流におけるコスト圧縮や交通安全の強化を図っている。同社は今年に入って4億2000万ドル(約460億円)を調達しており、「金沙江創投(GSR Ventures)」「セコイア・キャピタル・チャイナ(紅杉中国)」「Lightspeed China Partners(光速中国)」、トラック配車サービス中国最大手「満幇集団(Full Truck Alliance Group)」、中国三大自動車メーカー上海汽車集団(SAIC Motor)傘下の「上汽投資(SAIC Capital)」などが出資に参加している。

サプライチェーン各社との協業

今年に入り、自動運転を手がける企業にとっての新たな争点は「量産」「事業化」に絞られた。Plusも複数の大型トラックメーカーや物流企業と戦略的提携関係を深めている。

中国では完成車メーカー「一汽解放汽車(FAW Jiefang Automotive)」に技術を提供し、自動運転機能を備えた大型トラック「J7 L3」の量産を年内にも開始させる。同車種は中国で初めて大規模な量産の条件を備えた自動運転トラックとなる。

さらに満幇集団とも提携関係を深め、事業化戦略、車両販売、無人運転(L4)技術開発の三分野で協業。コスト削減や効率化を実現するシステム化ソリューションを構築していく。その他、物流大手「SFエクスプレス(順豊速運)」などと提携し、幹線物流における自動運転トラックの運営を進めている。

米国では年末にも量産型の自動運転車両を発表し、物流大手各社に提供していく予定だ。

今年3月、Plusは次の車種からNVIDIA製の車載用SoC「NVIDIA DRIVE Orin」を採用し、2022年にも米国、中国、欧州で次世代システムの事業化を進めると発表した。また、CNHインダストリアル傘下の産業用車両メーカー「IVECO」とも今年4月に覚書を締結し、将来的に同社の車両にPlusの自動運転システム「PlusDrive」を搭載することで合意した。

さらに米エンジンメーカー「Cummins」とは世界初の天然ガスを動力源とする有人自動運転大型トラックを共同開発し、来年にも市場へ投入する予定となっている。

大手各社から幹部人材を引き抜き

Plusには、自動車製造や物流など関連の大手企業から幹部クラスの人材が続々と合流している。

商用トラックやバスなどを製造する米「Navistar」で役員を務めたDennis Mooney氏が昨年に入社。自動運転システムと各社車両のプラットフォーム(シャーシ)を統合させる事業に着手した。今年に入ってからは、米アマゾンのグローバルトランスポーテーション部門で役員を務めたChuck Joseph氏が入社し、バイスプレジデントとして自動運転技術の物流業界での実用化を担う。

その他、米連邦自動車運輸安全局(FMCSA)やテスラ、ダイムラー北米法人の出身者がガバメント・リレーションズ、安全性能、制御装置の開発などで脇を固める。
(翻訳・愛玉)

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