中国初の光量子コンピュータ企業「Turingo」が資金調達、汎用化目指して前進

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中国初の光量子コンピュータ企業「Turingo」が資金調達、汎用化目指して前進

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光量子チップと光量子コンピューターの開発に従事する中国初の企業「図霊量子(Turingo)」が1億元(約17億円)近くを調達したことが分かった。出資を主導した「聯想之星(Legend Star)」のほか、「中科神光(Zhongke Shenguang)」「源来資本(FountainBridge Capital)」「小苗朗程(Xiaomiao Langcheng)」などが出資に加わった。調達した資金は光量子コンピューターチップや光量子コンピューターの研究開発に充てられるという。

図霊量子のルーツは上海交通大学の総合量子情報技術研究センター(IQIT)だ。研究チームは光量子情報技術や光チップなどの分野で十数年にわたる研究を行ってきた。技術の実用化を担うチームにはオックスフォード大学、シェフィールド大学、インペリアル・カレッジ・ロンドン、カリフォルニア大学バークレー校、上海交通大学、清華大学、中国科学院など国内外の一流大学の学者やエンジニアが集まっている。

図霊量子

半導体業界で「ムーアの法則」が限界に近づいているとの声が上がるなか、量子コンピューティングがポスト・ムーア時代の大本命と目されている。これまでの電子コンピューティングと比べると、量子コンピューティングは演算能力を飛躍的に向上させることができるため、日々複雑さを増す金融モデルやバイオ医薬、マテリアル設計、AIなどの分野でボトルネックを打破できると期待されている。

同社は設立当初から汎用量子コンピューターの開発を長期目標として掲げてきた。研究チームはこの目標を実現するのに不可欠な条件として、100万量子ビットを操作する能力、室温で動作すること、チップの高集積化の3つを挙げている。この条件を全て満たすことができ、大規模な汎用量子コンピューターを実現できると最も有望視されているのが光量子技術だ。現在、量子コンピューティング分野で資金調達額トップのスタートアップ「PsiQ」も光量子技術を採用している。

汎用量子コンピューターには100万個レベルの量子ビットが必要で、エラーを訂正しながら演算する能力も求められるが、安定した量子もつれ状態を生成できる光量子ならこの条件を満たすことができる。また光量子は室温環境でも動作し、超低温を作り出す大規模な冷却設備を必要としないため、汎用化を進める上で大きな役割を担っている。

高集積化も汎用量子コンピューター実現に不可欠な要素だと図霊量子は考えている。既存の大規模な半導体製造技術、例えばCMOS半導体の製造プロセスを活用することで、光量子チップの大規模生産を実現できるとみられている。光チップをベースに試行錯誤を繰り返すことにより、低コストながら成熟した製造プロセスを確立するための基礎を据えている。

現在、世界トップクラスの光量子チップ開発能力を持つ図霊量子は、知的財産権を持つ3D・超高速光チップのコア技術と製造法を有しており、光量子コンピューターチップの設計からテープアウト、実装、さらにはシステムインテグレーションや量子アルゴリズムに至る全行程の研究開発を行っている。

同社の創業者である金賢敏教授は中国科学技術大学で博士を取得後、オックスフォード大学で4年にわたり光量子チップと量子コンピューティングの研究に従事した。その間にEUの研究・イノベーション支援プログラム「マリーキュリー・アクション」に選出され、オックスフォード大学のフェローも努めた。
(翻訳・畠中裕子)

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